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【Kazuquoママの銀座の夜話】私が銀座との二拠点生活に選んだ場所

2023.03.11

新千歳空港をハブにして暮らす

 そんなことを決意してから間もなく『Go to travel 』が始まったの。そんなすてきな暮らし環境を模索するために、全国行脚を始めたのです。

 例えば、仙台、松島へ。松島の風光明媚な景色と、東北新幹線という交通インフラを組み合わわせの2拠点生活はどうかしら。実際に行ってみたら、確かに松島はとても美しく、食も豊か。居住コストも高くはなく魅力的だったわ。仙台駅から東京駅まで、新幹線はやぶさで1時間半だしね。松島暮らしも素敵だなあと思ったのだけど、東京駅から1時間半といえども、松島ー仙台間の移動時間が問題。渋滞もあるし、仙台駅前に車を停める場所を探すのも一苦労。気軽に東京にいけるという感じではなかった。

 新幹線は便利だけど、新幹線の基幹駅は都市の中心部にあるから、新幹線を利用する場所は大概同じ問題に遭遇すると思い、新幹線移動地は却下しました。コスト面でも、新幹線って安く乗る方法が少ないじゃない。そうだ!飛行機なら、日々の生活費やビジネスコストの決済で貯められるクレジットカードマイルを使えば、無料航空券も入手できるじゃない!

 こんな感じで、飛行機移動をメインに各地をリサーチして回ったの。そして、とうとうKazuquoは見つけてしまったのです!Kazuquoの「銀座と自然の2拠点生活』を可能にする新天地を!

 そこは「北海道新千歳空港周辺』。日本全国、世界ともつながる新千歳空港。空港の周りは大平原。北海道には仕事やゴルフで何度も行っているけど、新千歳空港周辺は、今の今までノーマークだった。

 お客様とゴルフに行っても、どうせ空港周辺には、美味い店も良いホテルもないだろうと決め込んでましたし、空港周辺でゴルフをしても、わざわざ小一時間かけて札幌市内に宿泊してましたからね。近隣市町村のことなんて何一つ知らなかったけど、東京まで飛行機で1時間ちょっと。空港の周りは大平原。いざとなれば札幌まで快速電車で30分くらい。ここしかない!とひらめいたのです。自分の直感を信じて生きてきた私。『思い立ったが吉日』とも言いますし、私はすぐに行動を開始したの。希望地が決まったら、役所に相談することもできる。

 昨今の移住ブームもあり、大概の役所には、移住促進課なる部署があります。その担当部署に相談することが手取り早いかなと思い、新千歳空港近隣の市町村、千歳市、恵庭市、安平町などの移住促進担当に、片っ端から想いを込めたメールを出してみた。

 各役所に出したメールを要約すると・・・銀座で飲食店をやっていること。どうして北海道に移住を考えるようになったかということ。ちょっとしたお料理なんかも出して空港を利用する旅行者が立ち寄れるお店をやりながら居住できる店舗併用住宅を建てたいということ。隣近所に気を遣いたくないので、向こう三軒両隣が300メートル離れられるような広大な土地を探しているということ。空港から10分前後の距離が理想だけれど、高速のインター近くでも構わないということ。そして、鳥たちの囀り、樺の木立が美しいとか、とにかく自然環境のいい場所。まっ、役所への相談のメールとは思えないくらい長々と心をこめて書きました。

『うちは土地の斡旋はしてません。』とか『そんな情報があったらお知らせします。』とか、塩対応の市町村もありましたし、返事すらこない市町村ももありましたが、そんな中、唯一、とても熱心で丁寧なお返事を下さった担当者がいたのです。それは『千歳市』の移住担当課の若き男性お役人さん!

 彼は、ネットで調べて、この問い合わせ者が『かずこママ』であろうと予想していたようです。『なかなか面白いですね~』とポジティブで、市の土地を払い下げることもできるかもしれないなどと積極的に具体的な提案を下さったり、他課の担当者を交えてZoomミーティングをしたりと、こんな銀座のバーのママ相手に、そりゃとても真剣に対応してくれたのです!

 そんなやり取りをしていたら、実際にお会いしてお話してみたくなり、コロナ禍ではありましたが、コロナの感染状況次第では、面会もできなくなるかもしれないという条件付きではあったけど、千歳市役所の皆さんに会いに行ったのです。

 役所に現われた、見た目おっさんの『Kazuquo』を、担当の皆さんは暖かく迎えてくださって、千歳市について色々教えて下さったの。実際に候補地を見に行ったりもしたわ。千歳市の全貌を知れば知るほど、残念だけど、私が思い描く土地と出会うことは簡単ではなさそうで、情報、人脈、時間がかかるなということがわかりました。

 だけど、ただ、じっと待っているのは私の性分ではない。商店街の空き店舗の再活用のための助成金事業なんかもあることを教えてもらったので、そうだ!週末だけオープンする小さなお店をやりながら、千歳市の皆さんとの関わりを始めよう!と決心。店を構えたら、もう後には引けないし、腹も決まるじゃない。決意が揺らがないうちに、中心部商店街に強い不動産屋さんを紹介してもらって、物件探しを開始したの。

 コロナ禍ということもあり、閉店した店舗がいくつかあったから、物件を探すには良いタイミング。何軒か内覧させてもらえたけど、どの物件も『う~ん』という感じだった。1回じゃ見つからないわね・・不動産ってご縁だし・・・なんて思って訪れた最後の物件。商店街の小さな路面店。その店に入った時に奇跡が起こったのよ!扉を開けて、中に足を踏み入れた時、そこはもう、キラキラ輝いていてね、『かずこ!おかえり~!』って声が聞こえた気がしたのよ!

 お店の内装、銀座とは違う人々の賑わい。千歳にいる私、そんなイメージが頭の中に湧き上がってきて、きっと『ここが私の居場所なんだわ!』と感じた!幸せを感じる直感って本当にすてき。神様からのギフトよね。私は、迷わず、即契約することに決めた。直感は過去の経験に積み上げれた統計学の賜物。最後は自分の直感を信じるのが私のモットー。そう、銀座の店と出会った時も同じだった。

移住や拠点を決める前に、地域活動をしてみては?

 千歳に店を開こうと決意したのが昨年の3月。銀座ルームに、老舗クラブのママが遊びに来ました。

『ママ、私、北海道移住を目指して、千歳に店を開くことにしたの。』と話した時、

『うちの店のOGが、千歳で店やってるのよ!』

 え~っ、銀座の高級クラブのOGが千歳でお店やってる!?なんでピンポイントで繋がるの!!!導かれてる!?とゾクゾクっとしたわ。しかし、千歳・・高級クラブ・・どう考えてもそんな風情のある店がある街とは思えなかったけれど、右も左もわからない千歳の街に、いきなり『おかまの店開店!』という訳にはいかなかったし、先輩がいるなんて心強いと思ったので、お願いしてご紹介いただいたの。そのお店のママは、ちょっと変わった面白いママなので、別な機会に改めてご紹介することにしますね。

 店を契約してからは、内装の打ち合わせもあったけれど、ほぼ毎月、多い時は毎週末、千歳に行って、このおもしろママに近隣のお店を紹介してもらっては、お顔出しさせてもらった。何十件回ったかしら。確かにお金もたくさん使ったけど、私の目的はお金儲けをするために千歳にお店を開く訳ではない。地域の人々との繋がりを育むためです。地域の皆さんを必要としているのは私のほう。宜しくお願いしますと頭を下げるのは当然だと私は思っています。そのための費用は、最初から見込んでおりました。

 千歳の商店街の寿司屋、スナック、居酒屋、喫茶店、魚屋、花屋、ほとんどの店が、地元で長く商売を続けるオーナーの顔の見える店ばかり。みんな繋がってるし、地元で生まれ育った人が多いから、美味しいお店、綺麗な景色、地元の政治についてまでなんでも教えてくれるの。この1年、とにかく、千歳の夜を飲んで飲んで飲みまくりました!

 みんな自分の看板で商売をしている人ばかり。自信に満ち溢れて、すてきで面白い、限りなく優しい人々。私はどんどん千歳の街にハマっていったの。私のように2拠点生活を考えている読者の方には、気になる街を見つけたら、まず、その土地の夜の街パトロールをおすすめしますわ。夜の街は、その土地の人、情報、なんでもサポートしてくれる夜の商工会議所みたいなものですよ。そして、人との出会いは、自分の人生に変化を与えてくれます。そんな体験をしてから、移住や拠点整備を決定してもいいかも知れません。

 様々な人のご協力のおかげもあり、2023年5月13日にオープンすることになりました。もちろん銀座同様、看板出さずの会員制。地元の行事には積極的に参加するつもり。千歳の皆さんのお役に立って、素晴らしい土地と出会う日まで、銀座と千歳を行き来してみたいと思います。人口約9万6千人。人口の3分の1は自衛隊や公務員、時には『空港と自衛隊の街』なんても言われるけど、店から西へ10分も走れば、格別に美しい支笏洞爺国立公園が。街から離れれば、広大な田園風景が。新千歳空港まで車で10分!千歳市というフロンティアでKazuquoは頑張ろうと思います。

 これからは、そんな千歳市の小さな店のカウンター越しに感じたことも書いてみますね。

【Kazuquoママの銀座の夜話】領収書は体をあらわす
【Kazuquoママの銀座の夜話】「仕事が入ったんです!」は便利な言葉
【Kazuquoママの銀座の夜話】たわいもないおしゃべり
【Kazuquoママの銀座の夜話】上海で感じた世界の進化のスピードと日本の停滞感
【Kazuquoママの銀座の夜話】銀座の灯を消さないために
【Kazuquoママの銀座の夜話】銀座に集う若者たちへの期待
【Kazuquoママの銀座の夜話】コロナは銀座をどう変えたのか?

文/kazuquo

自治医科大学付属病院にてリハビリテーション医療に携わったのち、 福祉住環境開発のために、住宅メーカーへ転職。その後独立し、PR会社、VIPトラベル専門の旅行会社「コスモクラーツトラベル」などを経営しながら銀座の会員制バー「銀座ルーム」のママとして日々、銀座のカウンター越しに日本社会の行く末を見守っている。

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