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【Kazuquoママの銀座の夜話】銀座の灯を消さないために

2020.06.11

 コロナウイルス流行による緊急事態宣言が発せられてから、まもなく3ヶ月。緊急事態宣言解除され、銀座も賑わいを取り戻しつつある今日この頃。皆様、いかがお過ごしでしょうか?

 日本中、いや世界中、感染拡大防止のため、様々に行動配慮されていることでしょう。皆様ご存知の通り、わが街「夜の銀座」は、引き続き自粛を継続している店が多く見られます。3月末、志村けんさんの訃報、厳しい自粛要請などがあり、メディアや世間の夜の繁華街「銀座」に対する目は想像以上に厳しくなりました。冷静を装ってる人々も、内面は何を思っているかわからないと疑心暗鬼になってしまう銀座経営者も多いように思います。

 私はというと、スタッフの雇用を続けるために、店の名物であった餃子作りに舵を切り、昼間からひたすら餃子を作って全国に発送しておりましたので、日々、コロナ渦の銀座を定点観測しておりました。今回は、コロナ渦の銀座について書いてみたいと思います。

飲食業という業種は日銭商売が基本なので運転資金という概念がない

 私は、飲食業意外にも事業を経営しておりますので、非常事態宣言直後は、同業経営者仲間から様々な相談を受けました。「いつまで続くのかしら?」「売り上げなくなったら、どうやって給料や家賃を払えばいいのかしら?」「従業員をどうやって解雇したらいいかしら?」「銀行からお金を借りるためにはどうしたらいいかしら?」などなど、相談は多岐にわたります。

 良いときも、悪いときもあるのが事業というもの。景気のよいときには、事業を伸ばすために努力をする。悪いときには、悪いときにするべきことがあると私は思うのですが、飲食業の経営者の多くは、この「悪いときにすべきこと」を訓練されていない方が多いなと思いました。

 一番気になったのは、「資金繰り」という考えを持っている経営者が少ない。飲食業という業種には、日銭商売が基本なので、運転資金という概念がない。さらに、飲食業は、高級クラブや高級飲食店を除けば、薄利多売で自転車操業的経営になりやすいので、十分な事業内部留保を確保していない。そして、世界一高級な下町「銀座」の高い家賃がネックになっています。コロナで営業が停止した途端、キャッシュフローが止まってしまう。こういった飲食店にとって、まさにカタストロフィーだったのです。

 さらに、コロナの影響で、低利の制度融資が溢れているので、みな、とりあえず融資を受けてしまう。この割賦を払うための売り上げ、利益増額の戦略も生み出せないまま、とりあえず赤字補填資金として借りてしまっている。借金とは不思議なもので、通帳に借金が入金されると、なぜか少しずつなくなっていってしまうのよ!

「借金」という経営手技を使いこなす技がないのに、借金をしてしまうことは非常に危険で、いつか焦げ付いてしまうことでしょう。これは銀座コロナショックの第2波になりかねないわ。料理が上手、接客が上手、という「技」で集客していた飲食店は、借金の使い方を含め、「経営」という技を磨く必要性が明確化されたと思います。

 誰も経験をしたことのない状況ですから、不安になるのは仕方ありません。私の知り合いの多くは、元に戻る日をただ心待ちにしている方が多かったように思います。言い換えれば、自分で答えを探し行動するより、自分ではない誰かが何かしてくれる、とりあえず周囲の動きが見えてくるまで待とう、じっとしていたら、国が助けてくれるなどと、他人の指針をあてにしている感じですね。

 自粛要請された飲食業経営者は、政府からの補償を求めますが、経営規模によって補償希望の大小は様々。国からの補償だけでは店の存続が困難な場合は、ただ、ため息をつくことに。政府は給付金を出してくれるだけで、これからどうしたら良いかは教えてはくれませんから。「危機は人を成長させる」という面もあるので、自ら学び、考え、決断し行動することが試されているのかもしれません。

銀座の高級クラブが復活できなければ、夜の銀座という商売地域としての価値は大きく下がる

 さらに、銀座の飲食店は、他地域と異なり、飲食店単体での問題解決が難しいという側面もあるのです。夜の銀座は、「夜の商工会議所」と言われますが、高級クラブが機能しなければ、夜の銀座というビジネス市場が崩壊するかもしれないのです。

 日本の政治や経済の第一線で活躍する人を多く顧客に持つ「高級クラブ」があるから、高級なお酒やフルーツが売れます。毎晩ホステスの身なりを整える美容院、呉服屋、そして、豪華な花を収める花屋の商売が。ホステスの同伴出勤があるから、銀座の飲食店の商売が。さらに飲食店の中には、クラブからの出前が売り上げの多くを占めている店もあります。クラブの営業後は、アフター活動があるので、深夜営業のカラオケパブや、サパークラブ、ラーメン店など、深夜の飲食店の商売があり、終電を逃したホステスやお客様を送り届けるタクシーの商売があるのです。

 このように、夜の銀座のクラブビジネスは、多くの商売にお金を回らせていますし、多くの雇用を生んでいる側面もあります。私だって、どれほど高級クラブのママやホステスさんにお世話になったことか! 緊急事態宣言が解除されても、銀座の高級クラブが復活できなければ、夜の銀座という商売地域としての価値は大きく低下してしまうかもしれません。

 さらに、これからのビジネスの基本となるソーシャルディスタンスを守り、席数を減らし商売を継続したとしても、以前のような売り上げを維持し、利益を確保することは、銀座の高い家賃がある以上難しい。また、窓がないビルが多いので、十分な換気を確保することも至難の技。このように、緊急事態宣言解除だけでは、銀座の飲食業ビジネスの復活は難しいのです。

 さらに、銀座の客層は、他の地域にくらべ、年齢層が高い傾向があります。コロナ感染を恐れ、自粛を継続する方も多いでしょう。銀座クライシスは、これからが本番だと私は気を引き締めております。

 ただ、銀座を応援してください!懇願するだけでは解決できない問題を抱えた銀座では、斬新で新しい考え方、価値観の創生ができるか否かが問われています。過去への執着を捨て、新たなビジネスを始めるくらいの覚悟が必要なのではないかと私は思いますし、新しい銀座に進化することへの期待感もあります。私も古き考えに囚われている一人だと思いますので、新しい感覚、スタイルを持った「銀座経済人」についていこう!なんてことも考えています。

 長い文章になってしまいました。ご精読ありがとうございました。とりあえず、かずこは銀座の片隅で元気に生きております(いまのところ・・)。大好きな街「銀座」。我がふるさと「銀座」。私は、世界一高級な下町「銀座」の灯を消さないために、何ができるかを考え、銀座の存続のため、鋭意努力したいと思います。

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文/Kazuquo
自治医科大学付属病院にてリハビリテーション医療に携わったのち、 福祉住環境開発のために、住宅メーカーへ転職。その後独立し、PR会社、VIPトラベル専門の旅行会社「コスモクラーツトラベル」などを経営しながら,銀座の会員制バー「銀座ルーム」のママとして日々、銀座のカウンター越しに日本社会の行く末を見守っている。

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