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【Kazuquoママの銀座の夜話】コロナは銀座をどう変えたのか?

2023.02.23

 皆さま、ご無沙汰しております。Kazuquoです。コロナ禍の様々な規制や自粛要請もほぼなくなりましたが、銀座の様相は、コロナ前のようには戻らず、新たな風情になったような気がします。夜の街を歩く人の数より、客待ちのタクシーの数の方が多いのでは?と思う日もよくあります。

『銀座もコロナで大変でしょう?』と聞かれることも多かったのですが、コロナ自粛要請が解除される少し前から、新店をオープンするというような景気の良いお話を耳にするようになりました。銀座は古いペンシルビルが多く、思いのほか小さな店舗が多いの。小さい店舗は4坪なんて店もあるんですよ。そんなオーナーの顔が見えるたくさんの小さなバーやスナック、小料理屋、寿司屋なんかが銀座という街の独特な風情を支えていると言っても過言ではありません。

 コロナ禍、これらの小さな店は、持続化給付金や時短協力金のおかげもあって、なんとか生き残った。自粛要請明けに銀座村の仲間と再会した時は、互いの無事を確認して喜びあったりしたわ。その反面、コロナを機に、後継者のいないベテランマスターやママが、長い歴史に幕を下ろし閉店する店も多くあったの。

 コロナ自粛要請後は、そんな小さな店に、新規出展希望者が殺到してね。東日本大震災の時と同様に、銀座の新陳代謝なのか新規オープンが相次いだというわけ。多分今でも、10坪くらいまでの狭小店舗を契約することはほぼ難しいと思います。

 10坪以下なら、初期投資も少なくて済むし、日本一地価の高い銀座といえども、個人店でもなんとか手の届く家賃。私も最初は、カウンターしかない7坪の小さな店だった。私の時は、ちょうど東日本大震災の後で、閉店や夜逃げした店がたくさんあったの。私も10件くらい内覧して今の店に決めめることができた。それからしばらくして、インバウンドブーム。コロナ直前は、銀座の空き店舗を探すことが本当に難しかったから、今回のコロナ閉店を待っていた人もいたのかもしれませんね。

 新しい狭小店舗には、個性あるお店が新規オープンしていますが、今尚、入居者の決まらない大型店舗や路面店がちらほら目につきます。コロナを経験した飲食店経営者にとって、やはり大きな床面積の店舗、高額な家賃は、大きなリスク要因なのでしょう。銀座は路面店ともなると、家賃が跳ね上がりますから。それに、大型店舗は、多くのスタッフを必要とするでしょ。コロナで飲食業界を離れた人材も多くて、スタッフが、全くと言っていいほど飲食業に戻って来なくて、ミシュラン3つ星の料理屋でも、私にスタッフ紹介してほしいと頼みに来るくらいでね、本当に人材不足に悩んでいるオーナーも多いの。これから大型店舗経営は人材という面でも難しいのでしょうね。

接待需要が激減した銀座

 他に変わったなと思う点は、夜が早くなったなということね。深夜遅くまで飲み歩く人がめっきり減りました。『アフター』といってね、クラブなどは風営法で営業時間が決まっているので、今後の営業も兼ねて、閉店後に客と一緒に2次会に行ったり、夜食を食べに行ったり、カラオケに行ったりするのだけど、アフター需要が本当に減ったなあと思います。長い間、大企業の接待禁止令が敷かれていたので、その影響で銀座の接待需要が激減したことが大きいと思います。クラブで接待しなくても、仕事に影響はなかったと悟ったのか、接待される側も夜中まで飲み歩く必要はなかったのじゃないかと気づいてしまったと言うか・・・。銀座ルームも、コロナ前に付き合うことになった私の相方が料理人だったので、お料理をお出しするようになったのが幸いし、18時ぐらいからお客様がいらっしゃるようになって、12時には店を閉めるようになりましたものね。

 あと、銀座を支えている、銀座を愛してくださる重鎮たちの高齢化もあるわね。銀座ルームにも某大企業の会長がいらしてくださるのだけど、会長の友人たちも、めっきり銀座に来なくなったと話します。加えて、コロナだけが理由ではないけれど、世代が変わったからか、お客様の雰囲気も変わったなと会長はこぼします。

 例えば、会長の思う銀座には、クラブには、『ドレスコード』があって、スーツにネクタイ、もしくはジャケットを羽織り、ジーパンやサンダルみたいな格好の客は、銀座のクラブに入れなかった。最近は、新興富裕層と言いますか、一体何をしてこんなに稼いでいるの?と思うお客様も増え、背に腹は変えられないからなのか、そんなお客をもてはやし、ドレスコードが崩壊しているクラブも増えています。要するに、客もホステスもガラが悪くなったと言いたいのでしょうね。

 あと高級クラブに欠かせない人材が『黒服』と言われるボーイさんたち。常にお客様やホステスに目を配り、気づきと先回りした気配り、センス良いユーモアのあるトーク力。言うなれば夜のプロフェッショナル。ホステス以上にお客様と深く繋がり、信頼を集める黒服もたくさんいます。そんなプロフェッショナルな黒服の高齢化も進んでいるのが大問題。他業種同様、次世代の黒服を育てようにも、黒服になろうとする若者がいない。器量が良いホステスも大切ですが、優秀な黒服がいないというのは、高級クラブには死活問題なのよね。本当に銀座も問題が山積してます。

問われる銀座という街の格

『コロナ禍を生き残る』ということに思考が集中しがちでしたが、今回のコロナは、これからの銀座が抱える様々な問題を表面化させました。言い換えれば、『銀座』という街が、この先も日本のリーディングタウンとしてのポジションを維持できるか否かということなのだと思います。

 銀座で商いをする私たちは、日本中の人々から『銀座だから、高くても仕方ない』という免罪符を頂いていると思います。先端の情報が集まる、お人繋ぎができるなど、この機会に、銀座の商いとは何か?銀座という街の価値は何かを考えるべきなのかもしれません。1店舗では何もできません。銀座に集う多くの店が、共通の意識を持ち、日本一の上質な人と上質な真の情報が集まる銀座の格を守ることができなければ、ネット世界での活動が主の次世代の若者は、銀座に見向きもしなくなることでしょう。

 人材募集のためという名目で、おもしろおかしく銀座のことをSNSに投稿する銀座の店もありますが、高い酒が飛び交うとか、いかに自分が意識が高いママかを宣伝するのもいいけれど、次世代の若者たちに、この街にくれば、何か得られるという期待感や魅力を磨き、伝えていくことを忘れてはいけないと私は思います。

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文/kazuquo

自治医科大学付属病院にてリハビリテーション医療に携わったのち、 福祉住環境開発のために、住宅メーカーへ転職。その後独立し、PR会社、VIPトラベル専門の旅行会社「コスモクラーツトラベル」などを経営しながら銀座の会員制バー「銀座ルーム」のママとして日々、銀座のカウンター越しに日本社会の行く末を見守っている。

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