ありがたく存じますを使った例文
感謝やお礼の気持ちを表すと同時に、やんわりと依頼をするために使える言葉でもある、ありがたく存じますの例文を紹介します。実際の使い方を知ることで、メールや会話で使うときの参考にしましょう。
感謝を伝える例文
お礼や感謝の気持ちを伝える場合には、普段『ありがとうございます』と入れる部分に『ありがたく存じます』と入れればOKです。下記に例文を紹介します。
- 優しい言葉を掛けてくださったこと、ありがたく存じます
- 平素よりお引き立ていただき、誠にありがたく存じます
- 本日は遠いところご足労いただき、ありがたく存じます
- このような結構な品をいただき、ありがたく存じます
- そのような重要な役割に抜てきしていただき、ありがたく存じます
このように、相手にしてもらってうれしかったことの後に、ありがたく存じますと付けると、まとまりよく仕上がります。感謝の気持ちをより強く表現するには、『誠に』『大変』などと付けるとよいでしょう。
依頼する際に使える例文
遠回しに依頼やお願いをするときには、下記の例文のように、『もし○○なら』といった仮定表現の後に、ありがたく存じますを続けます。
- もしご予定が合うのであれば、明日お伺いさせていただけますと、ありがたく存じます
- 可能であれば、今週中に書類を提出いただけますと、ありがたく存じます
- もし可能であれば、具体的なプランを教えていただけると、ありがたく存じます
- お時間が空いているようであれば、資料に目を通していただけると、ありがたく存じます
- もしツールを使用できるなら、オンライン会議にしていただけると、ありがたく存じます
やっておいてください、と直接言えなくても、やってもらいたい気持ちを伝えられる表現です。
感謝を伝える言い換え表現を紹介
ありがたく存じますという言葉以外にも、丁寧な表現で感謝を伝えられる言葉があります。どれも意味は似ていますが、ニュアンスの違いがあるため、適した表現を選べるとよいでしょう。
それぞれの意味やニュアンスを理解することで、スマートに使い分けできます。
「ありがたく」の言い換え
感謝を表すありがたくの言い換えには、さまざまな言葉があります。文章で使われることの多い『幸甚(こうじん)』は、大変ありがたい様子を表す敬語です。より珍しい出来事に感謝しているときに向いています。
単にうれしいというだけでなく、名誉なことであると感じている場合には『光栄』がぴったりです。ただし、単に感謝やお礼を表現したいときに使うと、おおげさな印象を与えます。
日常的な会話でも使いやすいナチュラルな表現がしたいなら、『うれしく』『喜ばしく』と言い換え可能です。会話の中で、違和感なく適度な丁寧さで気持ちを伝えられます。
『幸い』と言い換える場合、感謝の意味はなく、遠回しに依頼をする表現として使います。
親しい仲なら「思います」でもOK
ややかしこまった言い回しである、ありがたく存じますは、相手との関係性によっては堅苦しい印象を与えることもあります。
もう少し柔らかい印象の言葉でお礼を伝えたいという場合には、謙譲語の存じますを『思います』に言い換えるとよいでしょう。
例えば、日頃からプライベートも含めて親交のある上司といった、親しい相手へのお礼では、ありがたく存じますが向いていないこともあります。
かしこまった言い回しが妙に他人行儀で距離感を感じることがあるからです。そのため上司へのお礼であっても、親しい間柄であれば『ありがたく思います』の方が、向いているでしょう。
その他の類語
『恐れ入る』という言葉も、ありがたく存じますの類語として、よく知られています。もともとは、大変恐れるという意味の言葉だったのが次第に変化しました。
何かしてもらったことに対して感謝したときや、相手の実力に圧倒されたとき、自分に非があることを知り謝罪するときなどに使用する、さまざまな意味のある敬語です。
特に、ビジネスシーンでは、目上の人や他社から評価されたことに対して、謙虚にお礼の意味を表す場合に用いられます。例えば、自社のサービスをほめられたときに、恐れ入りますと返答するのです。
相手への配慮を表すクッション言葉としてもよく使われている、使用頻度の高い言葉でもあります。
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構成/編集部