現在発表されている最新の時価総額ランキングにおいて、Googleの持株会社である「Alphabet社」は、マイクロソフト、Apple、Amazonに続いて世界第4位の時価総額を誇っています。そんな世界を代表する企業の一つであるGoogleですが、実は創業からまだ20年余しか経っていません。
今回はそんな、いまやインターネットに触れている人なら、ほとんどの人が知っているといっても過言ではない、Googleの歴史を紹介していきます。
※トップの画像はGoogleが1998年8月に掲載した、はじめてのDoodleです。Doodleとは、「いたずら書き」の意で、Googleは現在にいたるまで、祝日や記念日などにオリジナルのDoodleを掲載しています。
Googleの歴史
この項目では、昨年創業20年を迎えたGoogleの歴史を振り返っていきます。Googleが歩んできた道のりに少しでも興味を惹かれた人はぜひ、参考にしてください。
1998年~ ガレージから始まったGoogleの歴史
https://about.google/our-story/?hl=ja
左:ラリー・ペイジ氏と 右:セルゲイ・ブリン氏
Googleの創業は今から約21年前の1998年9月。当時スタンフォード大学の博士課程に在籍中だったラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏によって創設されました。
当初の拠点はカリフォルニア州メンローパークのガレージ。このガレージはペイジ氏の友人で、後にYouTubeのCEOとなるスーザン・ウォシッキー氏が所有するガレージでした。
ちなみに、Googleの他にも現在アメリカの大企業と呼ばれる会社の多くがガレージからの出発を果たしています。例えばApple、ヒューレットパッカード、ハーレーダビッドソン、ディズニー、そしてAmazonなどもガレージを最初の拠点に選んでいます。
1999年~2004年 ガレージから移転。初の株式公開
Googleは、創業から4か月経った1999年3月、オフィスをガレージからパロアルトへ移転します。その後、6月にはカリフォルニア州マウンテンビューに拠点を移しました。2000年に入ると、Yahoo!のサーチエンジンに採用されたり、翌2001年には日本法人グーグル株式会社を設立しています。2003年にはAppleと提携を開始し、Safariの標準検索エンジンとなっています。そして2004年の8月。Googleは初の株式公開を行いました。その株式時価総額は230億ドルを越えています。
2005年~2012年 Androidスマートフォンの発表。年間収益500億ドル越え
Googleはその後も順調に業績を伸ばしていき、2005年の秋には前年比の+700%の利益をたたき出していることが、ワシントン・ポストによって報道されました。Googleは確実に検索エンジンのシェアを獲得していきました。
2008年には初のAndroid搭載スマートフォンを発表。その後2010年になるとユニークユーザーは9億人を越え、翌2011年にはついにユニークユーザー10億人を突破しました。また翌年の2012年には年間収益500億ドルを越えました。
驚くべきはこの時、Googleはまだ創業から15年しか経っていないという点です。単純計算すると1年間でおよそ33億ドルずつ年間収益が上昇している計算になります。日本円に換算すると1年で約3731億円の上昇……。凄まじい数字ですね。
日本におけるGoogle
※グーグル日本オフィス
前述したように、2001年に日本法人のGoogle株式会社が設立されましたが、これはGoogleがアメリカ国外に持つ初めての現地法人でした。2005年になるとGoogleはKDDIに申し入れ、エリック・シュミット(元CEO)とKDDI代表取締役の小野寺正氏による面会が行われました。翌年、KDDIのIP接続サービス「EZweb」の検索エンジンにGoogleが採用されました。
ローレンス・エドワード・ラリー・ペイジ氏とは?
僅か十数年でテック業界のトップまで上り詰めた大企業・Google。2018年の3月期には、総利益が1兆円を越え、四半期ペースでは過去最高額をたたき出しました。
そんな、未だ成長の過程にあるGoogleの産みの親。ローレンス・エドワード・ラリー・ペイジ氏とはいったいどのような人物なのでしょうか。この項目では、Googleの共同創業者であるラリー・ペイジ氏を紹介します。
ラリー・ペイジ氏の経歴
Googleの共同創業者にして、元CEO(最高経営責任者)のラリー・ペイジ氏は、1973年3月26日、ミシガン州のランシングに生まれました。ミシガン州立大学の計算機科学・人工知能教授の父、同じくミシガン州立大学でコンピューター・プログラミング教師をしている母のもとで育ったペイジ氏。幼少の頃からコンピュータが身近な存在であったペイジ氏は、両親の英才教育を受け、ミシガン大学進学後は計算機科学を専攻、学士を取得しました。
ミシガン大学を卒業すると、今度はスタンフォード大学の計算機科学の博士課程に進学。ペイジ氏がコンピュータや検索エンジンについての、本格的な研究をはじめたのはこの頃でした。そしてとある学友と共著で論文「The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine(大規模なハイパーテキスト的なウェブ検索エンジンに関する分析)」を発表します。この学友こそ、後にGoogleを共同設立することとなる、セルゲイ・ブリン氏です。
1998年。大学を休学した二人は、後に世界的大企業となるGoogleを、小さなガレージで立ち上げたのでした。
ペイジ氏の現在は?
現在、ペイジ氏はGoogleの経営に直接的な関与はしておらず、一線から身を引いて、カリブ海のプライベートビーチで過ごしているそうです。しかし完全にGoogleと決別したわけではなく、Googleの持株会社である「Alphabet社」のCEOを務めています。また「空飛ぶ車」の実現に向けて、キティ・ホークやブラックフライといった企業への投資を積極的に行っています。
ラリー・ペイジ氏の名言
この項目では、ラリー・ペイジ氏の名言の数々を紹介していきます。
もしかすると貴方の座右の銘と成り得る金言が見つかるかもしれませんよ?
・『失敗しても構わないが、失敗するなら早くしろ』
・『ミスを犯してくれて大変嬉しい。「あまりに慎重でほとんど何もしない」のではなく「迅速に動き、たくさんのことをする」会社を私は経営したい。もしこうしたミスをまったく犯さないとすれば、私たちは十分なリスクを取っていないことになる』
・『少しクレイジーなくらいに、好奇心を追い求め、野心を持ち、夢をあきらめるな』
・『私はリスクを恐れてGoogleを始めるのを非常にためらった。ご存知の通り博士課程を中退しなければならなかったからだ。大いに悩んだ。中退したら戻れない。でもたいしたことじゃないと思うようにした。失業するのとは違う。Googleが上手くいかなくても上々の暮らしは送れるはずだ』
・『途方もない夢でも実現へと前進させることは意外とたやすい。「そんな馬鹿なことはできない」と誰もが思うことならば、競争相手はほとんどいないからだ』
このようにペイジ氏は、「失敗やリスクを恐れずチャレンジすること」こそ大切なことと考えていたようです。また未知……誰もが想像はするが、実現性は無いだろうと考えていることへの挑戦こそ、夢を実現させる近道であると考えていたようです。
Googleのあのサービスはいつ始まったの?
この項目では、今、私たちが日常的に利用しているGoogleのサービスが、いつどのようにして始まったのか紹介していきます。
Gmailのサービス開始年
2004年4月開始。2012年には月間アクティブユーザーが4億人を越え、2019年現在では月間アクティブユーザーは10億人を超えています。
【参照】Gmailのアーカイブ機能で受信トレイをスッキリ断捨離する方法
Googleマップ、Google Earthのサービス開始年
2004年10月開始。元々人工衛星など航空写真のデータベースソフトを半版していた「Keyhole社」を買収し、その技術を用いてGoogleマップとGoogle Earthのサービスを開始しました。
【参照】地図だけじゃない!意外な使い方で楽しめるGoogleマップの魅力
Google翻訳のサービス開始年
2006年開始。当初は英語に加え、フランス語、ドイツ語、スペイン語のみの言語しか対応していませんでしたが、その後ポルトガル語、イタリア語、中国語、日本語、韓国語と着実に対応言語を増やしていき、2019年現在では100言語以上に対応。インターネット上にある言語の99%をカバーしています。
【参照】実は使いこなせていない人がほとんど!覚えておきたいGoogle翻訳の超便利な使い方
Googleドライブのサービス開始年
2012年4月開始。現在のGoogleドライブの無料利用可能容量は15GBですが、サービス開始当初は、5GBのみでした。
【参照】無料で容量15GB!クラウドストレージ「Googleドライブ」の上手な使い方
Googleフォトのサービス開始年
2015年5月開始。写真の自動保存、共有、編集などが可能なサービスです。こちらもGoogleドライブと同じ15GBの容量を利用しますが、容量が大きい場合は縮小して保存することが可能です。
【参照】スマホで撮影した大量の写真を管理するのに便利なGoogleフォトの使い方
Googleカレンダーのサービス開始年
2006年4月開始。なお2009年7月まではβ版でした。2009年にはTO-DOリストの提供を開始。クラウド上にスケジュールが保存されるため、端末が故障してもスケジュールが失われないメリットや、どの端末でも自身のアカウントでログインすればスケジュールを確認できるメリットがあります。
【参照】Googleカレンダーの使い方|スマホでスケジュール管理を便利に行う方法
画像出典:Google
取材/文 高沢タケル