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【開発秘話】累計30万個以上出荷したフマキラーの『ゴキブリワンプッシュ』

2018.01.06

■商品化の決め手は、死骸は見たくないけど死んだことを確認したい派の存在

 使用する場所が空間からすき間に変わるだけ。したがって佐々木氏は、有効成分の選定などもすぐに終わり、比較的早期に厚生労働省に防除医薬部外品の申請を出せると思っていたという。ところが、実際はそうならなかった。

 まず、『ゴキブリワンプッシュ』の特長である、すき間に隠れていたゴキブリが表に出てきて死ぬことがいいのかどうか、ということから議論になった。苦手な人は、ゴキブリの死骸など見たくもないもの。その一方で、苦手ではあっても、逃げ込んだゴキブリが死んだことをこの目で確かめたいという人も相当数いる。

 佐々木氏によれば、死んだことをこの目で確認したい派と死骸は見たくない派の割合は拮抗しているものの、死骸は見たくない派の中には、いるのがわかっていながらどこかで死なれているのも困るので、「怖いけど死んだことを確認したい」人がいるという。そこで同社が調査したところ、死骸は見たくもない派の65%が、「怖いけど死んだことを確認したい」と回答した。

 こうして企画は成立したが、問題は、速効性がある有効成分が使えないことだった。速効性があると、すき間から出てくる前に死んでしまい、死んだことが確認できなくなるからである。かと言って、遅効性の有効成分を使い、表に這い出てきてからいつまでも生き続けられるのも困る。少しでもかかったら確実に死ぬ有効成分の選定と、ヨタヨタ出てきてパタッと倒れるぐらいの有効成分の量の設定が求められることになった。

 有効成分は20種類ほどテストした。上記の条件を満たすことはもちろんだが、ペットボトル容器に充填するため、溶け残ったりペットボトルを溶かしてしまわないものを選ぶ必要もあった。また、防除用医薬部外品の認可を得るには、クロゴキブリとチャバネゴキブリの2種類のゴキブリに対して等しく効果が認められなければならなかった。こうした条件をクリアし採用されたのが、「d・d-tシフェノトリン」であった。

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