現在も強烈なインパクトを放つJR西日本500系は、古さを感じさせないが、気がつけば長老の域に達していた。山陽新幹線〈こだま〉用車両として、余生を過ごす“怪物”に乗ってみた。
■生誕25周年の500系
500系が登場したのは、意外と古く1992年4月。当時は500系900番代『WIN350』という高速試験車両で、最高速度350km/h運転を目指していた。走行試験で目標は達成したが、騒音に課題を残した。
その後、1995年12月から1996年1月にかけて落成した500系量産先行車では、営業列車の最高速度を300km/hに設定(性能的には320km/h運転も可能)。長い試運転の末、1997年3月22日に山陽新幹線〈のぞみ〉1往復でデビューした。また、同年に500系量産車が投入され、11月29日より東海道新幹線への直通運転を開始した。ただし、東海道新幹線ではカーブの多さなどから、270 km/h運転に抑えられた。
500系は時代の寵児となったが、N700系の投入に伴い〈のぞみ〉運用を順次離脱。2008年12月1日から、8両編成に短縮、最高速度も285km/hに変更の上、〈こだま〉の運用を開始し、0系を置き換えた。
なお、“500系〈のぞみ〉”と東海道新幹線の直通運転は、2010年2月28日で運行を終了した。