サービス業において避けることができない「悪質クレーマー」
「お客様は神様です」──演歌歌手、三波春夫の言葉というのは有名な話だ。しかし、三波春夫オフィシャルサイトによると、本人の真意とは違う意味に捉えられたり使われたりしているという。三波春夫にとっての「お客様」とは聴衆・オーディエンスのことで、演者と客席にいるお客との形の中から生まれたフレーズ。商店や飲食店の客、営業先のクライアントのことではないと断言している。
しかし、この言葉の真意を無視し、立場が上にあることを利用して従業員に土下座を強要したり脅したりして、自分の言い分を通そうとする悪質なクレーマーが存在し、社会問題になっている。サービス業を営む人であれば、悪質クレーマーに悩まされた経験は一度や二度ではないだろう。悪質クレーマーにうまく対応するには、どのようにしたらいいだろうか。
大阪府警OBで元刑事の経験を生かし、多くのトラブルや悪質クレームを解決しているクレーム対応コンサルタントである援川 聡氏。リアルタイムで企業をサポートするほか、講演や執筆活動を通して悪質クレーマーへの対処法を広く一般に伝授している。悪質クレーマーとはどんな人で、実際にどのように対処すべきかを援川氏に聞いてみた。
援川氏の著書「理不尽な人に克つ方法」(小学館新書)。一見普通の人が理不尽な悪質モンスターに変わってしまう現状を示し、その対処法を伝授している。