
ここ数年、国内でも急速に増えてきたIMAXシアター。美しい映像を迫力あるスクリーンで楽しめるという特徴を持つが、シアターによって、スクリーンのサイズが違い、機材の仕様なども異なる。今回は国内でもっとも大きなスクリーンを持つと言われる109エキスポシネマを中心に紹介しよう。
※前回の記事
「圧倒的な迫力と映像との一体感!シドニーに行ったら世界最大のIMAXシアターに行くべし」
■国内のIMAXシアターはどうなっている?
美しい映像を迫力あるスクリーンで楽しむことができるIMAX。第1回ではそのしくみを解説し、第2回では世界最大と言われる「IMAXシアター・シドニー」を紹介した。
IMAXはカナダのIMAX Corporationが開発した映写フィルムと動画フィルムの規格で、現在は世界各国にIMAXシアターが存在する。第1回、第2回でも説明してきたように、元々、IMAXは劇場用映画に不向きだと言われていたため、ドキュメンタリー映画や記録映画などが制作され、博物館や美術館、水族館といったテーマパークなどの施設で上映されてきた。ちなみに、世界初のIMAX映画『タイガー・チャイルド』は、1970年に大阪で開催された万国博覧会の芙蓉グループのパビリオンで上映され、世界初のIMAX 3D映画『ザ・ユニバース』は1985年開催のつくば科学万博の富士通パビリオンで上映されている。
その後、1990年代半ばから国内では常設のIMAXシアターとして、東京・品川に「メルシャン品川アイマックスシアター」、東京・新宿に「高島屋東京IMAXシアター」、大阪・南港に「サントリーミュージアム[天保山] 」、長野・軽井沢に「メルシャン軽井沢IMAXシアター」などが相次いでオープンし、人気を集めた。ただ、残念ながら、上映できるタイトルに限りがあったり、映画業界が複数のスクリーンを持つシネマコンプレックスに移行し始めたこともあり、これらの施設はいずれも2000年代後半に閉館してしまっている。
ところが、第1回でも触れたように、2008年に公開された『ダークナイト』が一部、IMAXの70mmフィルムで撮影されたことをきっかけに、劇場用映画でもIMAXムービーが少しずつ増え、35mmフォーマットの映画をアップコンバートする手法なども定着したことで、ここ数年、再び国内でもIMAXシアターが増えてきている。
国内のシネマコンプレックスなどにあるIMAXシアターには、既存のシアターをIMAX仕様に改修したところもあれば、昨年あたりからはIMAXシアターを持つシネマコンプレックスが新たに開業しており、注目を集めている。これらの新しいIMAXシアターは映写設備だけでなく、音響設備なども最新の技術が投入されたものになっており、臨場感あふれる映像体験を楽しむことが可能だ。
○2015年以降に開業したIMAXシアター
2015年4月 TOHOシネマズ新宿
2015年4月 109シネマズ二子玉川
2015年11月 109シネマズ大阪エキスポシティ
2015年12月 TOHOシネマズ二条
2016年7月 109シネマズ大阪エキスポシティ