筆者が109シネマズ大阪エキスポシティを訪れた3月は、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が上映終了直前で、その他にマット・デイモン主演の『オデッセイ』をIMAXシアターで鑑賞することができた。
109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアターは、IMAX次世代レーザーを採用しており、入口にもっとも近いシアター11が割り当てられている。シアター内に入ると、国内の劇場では珍しく、かなり観客席の傾斜が強くなっている。第2回で紹介したIMAXシアター・シドニーほどではないものの、上段の観客席に移動するための階段も少し段差が高くなっている。
内部に入ると、国内の他のシアターよりも傾斜が急なことがわかる
観客席はもっとも幅の広いところで左右に39席で、A列からM列までの13列で構成されているが、中段のもっとも見やすいG列とH列は109シネマズの特徴である「エグゼクティブシート」が割り当てられている。エグゼクティブシートの料金はIMAXムービーの場合が3100円、IMAX 3Dムービーの場合が3500円に設定されているが、前述のシネマポイント会員は通常料金(IMAXが2400円、IMAX 3Dが2800円)で利用できる。予約も可能なので、ゆったりとした座席で楽しみたい人は早めにオンラインで予約しておくといいだろう。
シアター内で、左前方から後方をみたところ。中段あたりにエグゼクティブシートが並べられている
実際に映画を鑑賞した印象だが、スクリーンサイズはIMAXシアター・シドニーに及ばないものの、『IMAX次世代レーザー』を謳うだけあり、どちらのタイトルも非常に解像感とコントラストが高く、クリアな画質で迫力ある映像を楽しめるという印象だ。
左後方から撮影したが、スクリーン全体まではカメラに収まらない。6階建て相当の高さを持つスクリーン
今回はシアター内中段のエグゼクティブシートで鑑賞したが、前方や周囲の座席の観客が視界に入ることもほとんどなく、視界いっぱいに拡がる映像を存分に楽しむことができた。なかでも『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』については、第2回で紹介したIMAXシアター・シドニーで鑑賞したときと同じように、惑星ジャクーでフィン(ジョン・ボイエガ)とレイ(デイジー・リドリー)が出会い、ミレニアム・ファルコンを奪って、宇宙に離脱するまでの数分間は、映像が上下に拡大し、1.43:1の比率のIMAXムービー本来の映像を観ることができた。ちなみに、今のところ、国内で1.43:1の映像を上映できるIMAXシアターは、109シネマズ大阪エキスポシティのみとなっている。現在は35mmフィルムで撮影し、IMAXムービーにアップコンバートするタイトルもあるため、すべてのIMAXムービーに1.43:1のシーンが含まれているわけではないが、もし、自分の気に入ったタイトルに1.43:1のシーンが含まれているのであれば、一度は109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアターで観ておいて、損はないだろう。劇場用映画に1.43:1のシーンが含まれているかどうかは、「IMDb」のサイトで映画のタイトルを検索し、「Technical Specs」の「Aspect Ratio」で確認できるので、気になる人はチェックしてみるといいだろう。
階段も他のシアターに比べると、やや急勾配な印象。降りるときは足下をよく確認するのがおすすめ
全3回に渡り、IMAXムービーのしくみ、世界最大のIMAXシアター、国内最高峰のIMAXシアターについて、紹介してきた。映画の楽しみ方にはいろいろなスタイルがあるが、やはり、アクションやSFなど、動きのあるシーンが多い映画はIMAXシアターのように、大きなスクリーンで観た方が数倍、楽しむことができるはずだ。国内には続々とIMAXシアターが増えており2017年以降も新しいIMAXシアターがオープンする予定だという。ぜひ、それぞれの地域のIMAXシアターに足を運び、IMAXムービーの迫力ある映像に没入しながら、思う存分、映画を楽しんでいただきたい。
取材・文/法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。