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XR、6G、AI、プロジェクション、テクノロジーの力で進化するスマートホームのエンタメ体験

2022.04.12

「テクノロジーで暮らしの豊かさの実現と社会課題の解決を両立し、すべての人々が快適で活き活きと暮らせる社会を創る。」をヴィジョンに、2020年4月に発足した一般社団法人LIVING TECH協会。住宅関連事業者やメーカーのみならず、多業種にわたり、国内外問わず大企業・スタートアップ企業が集い、本当に心地良いスマートホームの実現を目指しています。

そんなLIVING TECH協会が2022年2月25日に「LIVING TECH カンファレンス 2021-2022」を開催。業界のトップランナーが熱い議論を交わしたセッション6の内容を抜粋して紹介します。 

左から、竹内優さん(ルームクリップ株式会社 RoomClip住文化研究所 研究員)、河野辺和典さん(株式会社LOAD&ROAD 代表取締役)、大瀬憲寛さん(ソニーグループ株式会社 R&Dセンター Tokyo Laboratory 01 シニアディスプレイエンジニア)、 安元淳さん(NTTドコモ コンテンツビジネス部 スポーツ&ライブビジネス推進室パートナー協創担当担当部長)

上記4名のほか、川本太郎さん(ルームクリップ株式会社 執行役員/RoomClip住文化研究所所長)が海外よりリモートで参加。

Session6:【暮らしが進化する③楽しく感動!エンタメ体験の場に暮らしが進化する】暮らしを彩るテクノロジーで住体験が変わる


ダイジェストムービーはこちら。

Opening sessionの模様はこちら
セッション1の模様はこちら
セッション2の模様はこちら
セッション3の模様はこちら
セッション4の模様はこちら
セッション5の模様はこちら

 「スポーツ観戦体験イノベーション」の今

「パーソナライズ」が一つのキーワードとなったSession5。Session6では、さらにその先の「エンタメ体験」をテーマに進行していきます。登壇者4名がこれまでの取り組みの振り返りや、消費者の価値観シフトについてのインプットも交えながら、生活者の気持ちを整えてポジティブにしていくために何ができるのかについて、議論を交わしました。

技術の発展や消費者ニーズが変化する中で、エンタメ体験を取り巻く環境も日々進化を続けています。NTTドコモでスポーツ観戦体験イノベーションを手がける安元淳さんは、直近の取り組み例を紹介しながら「気持ちが動く感動の現場の今」について語ります。

「私は4年ほど前からスポーツのビジネスに携わっていて、現在は各リーグチームとの取り組みを幅広く展開するフェーズに来ています。スポーツ市場で事業を拡大していく上で、我々としてはリーグ関係者が抱える『なかなか新しいファンが増えない』という課題を解決するために、5Gやデジタルマーケティングの技術を基盤にしながら、主にアリーナ事業への参画、映像制作、ファンとの顧客接点開発に取り組んでいます」(安元さん)。

さまざまな取り組みの中でも、2019年のラグビーワールドカップにおけるマルチアングル観戦の実証実験は、特に象徴的な事例だったと安元さんは振り返ります。

「試合中にいろいろな映像ソースを同時に配信して、すべての映像を大容量の5G端末上のマルチスクリーンで受けるというものでした。実際には200席ぐらいのエリアでの実証実験だったんですが、スタッツ情報も含めた新しい観戦体験を用意しました。技術的な実証としては、0.7秒の遅延での配信と、通信会社としてはかなり高い品質のものが提供できたと感じています」(安元さん)。

さらに、現在ドコモでは5Gから6Gへのアップデートに向けた取り組みも進めていると安元さんは続けます。

「2018年時に5Gだったデモバスが、今は6Gデモバスに変わっています。バスに入ると13Kのスクリーンがあって、試合を高臨場で観戦できます。NTTグループが推進しているワイヤレスのネットワーク技術を用いながら、ソニーの大瀬さんのチームと一緒に、さまざまな実証実験をしているところです」(安元さん)。

大容量の通信を低遅延で実現する5Gは、スポーツ観戦体験に新たな進化をもたらしました。今後、5Gから6Gへのアップデートが進めば、さらに新たなスポーツ体験の提供が可能になると安元さんは話します。

「6Gになると、超高速で大容量伝送をして『五感の拡張』ができるようになるんじゃないかと考えています。今CMでも流れていますが、女優の綾瀬はるかさんにピアニストが演奏している手指の動きを電気信号で送り、遠隔にいる綾瀬さんが腕につけたデバイスを通じてピアニストと同じ動作ができるというデモがあります。6Gの世界では『人間拡張』という五感の拡張体験を実現できるんじゃないかというコンセプトで、今あらゆるトライアルをさせていただいている状況です」(安元さん)。

その他にも、NTTドコモでは以下のような取り組みも行っています。

【その他の主な取り組み】

・試合中に選手が感じるボールの振動をパブリックビューイング会場のボールに再現しリモートで触覚を伝える取り組み(ラグビーワールドカップ前哨戦)

・4K×3台のワイド映像を用いたスタジアム外での高臨場ライブビューイング(Jリーグ)

・8KカメラとAI 映像自動解析技術を活用したマルチアングルでの観戦体験(プロ野球)

・他視点映像や観戦情報・選手情報をスマートグラスに表示させる、ARスポーツ観戦(ラグビー)

プロジェクション技術で実現するVR空間

ソニーグループの大瀬憲寛さんが現在取り組んでいるのは、超短焦点4Kプロジェクターを活用しながら映像・サウンド・インタラクションで部屋全体を別世界に変える次世代映像システム『Warp Square』プロジェクト。エンターテイメントの枠を超えたさまざまなシーンでの導入例について、大瀬さんは次のように話します。

「BtoBでは、今回のテーマであるエンターテイメントはもちろん、小学校での社会科授業のような教育訓練の場面、クリエーションワークフローの分野では、ミュージックビデオを撮るバーチャルスタジオ的なプロダクションを、環境映像としては、旅行シミュレーションとかテーマレストランの設えなどをすでに導入しています。また、先ほどご紹介いただいた5G・6Gということで、今後もドコモさんと一緒にいろいろできれば面白いなと思っているところです」(大瀬さん)。

「Warp Square」を使えば、照明の変更や部屋の模様替えを、その日の気分に合わせて自由自在に行えます。4面にGoogle Earthのストリートビューを投影してのバーチャル旅行、仲間と同じ画面を見ながら一緒にプレイする360度のVRゲームなど、幅広い楽しみ方が可能です。

「いわゆる”スクリーンがあるシアタールーム”みたいなものを想像していたんですが、ちょっと違うのはインタラクティブ性というか、自分で操作も可能なのがこのWarp Squareの特徴でもあるんですね」(竹内さん)。

「そうですね。スポーツ観戦をしながら、遠隔にいる人とチャットをすることもできます。例えば別のスマホや、テレビで同じ試合を楽しんでる方とも喜び、悲しみの感情も一緒にシェアできます」(大瀬さん)。

消費者の暮らしに関するニーズの変化に伴い、価値観もシフト

RoomClipは、住環境や暮らしに関する写真共有を中心としたSNSサービスとして、国内最大級のソーシャルプラットフォームです。今回モデレーターを務めた川本さん、竹内さんは、RoomClip住文化研究所でRoomClipの投稿写真をはじめとしたさまざまな行動データを分析し、そこから見えてくる人々の生活に関するトレンドを発信するプロジェクトに携わっています。

川本さんは、リビングテックについて考える際に、消費者ニーズの有無やどのような需要があるのかを観察するのが重要だと語ります。

「テクノロジーの進化と、事業者側がビジネスとして捉えられるかどうかの重なり。そして、住まいを中心とした生活者、消費者の中にそういったニーズがあるのか、どのような需要があるのかを見るのがとても重要になると思っています」(川本さん)。

コロナ禍において、エンターテイメントへの消費者のニーズに大きな変化が生まれています。住まいにおけるエンタメの中心的存在であるテレビについては、「どのようなブランドやスペックのテレビを持っているのか」から、コンテンツや「誰とどんなコンテンツを楽しんでいるか」に消費者の関心がシフトしており、動画配信サービス・ゲームなどテレビを使った体験の質にも変化が起きていると竹内さんは話します。

「例えば、RoomClipではテレビをただ漫然と見る投稿は減ってきています。代わりに、トレーニングやオンラインライブなど、外にあった体験を家の中に持ってきて、テレビを使って自分の体験を拡張していく積極的な姿勢が見えてきています。

『大画面さえあれば、テレビでなくてもいい』と捉える方が増えているのも現状です。特に、一人暮らしでプロジェクターを採用することが増えています。プロジェクターは大きい画面なので、みんなで楽しむものという意識が強いかもしれないですが、実は一人暮らしの方の普及の方が急速です。好きなアーティストのライブを存分に楽しみたいとか、エンタメ体験の質を上げる、自分の『好き』に積極的にこだわる中で、プロジェクターが一つの憧れアイテムになっているようです」(竹内さん)

RoomClip内の投稿の傾向から、エンタメ以外の暮らしのトレンドについても、特徴的な動きが見られると竹内さんは続けます。

「『〇〇インテリア』とか『〇〇スタイル』といったキーワードの利用率については、一旦の上昇を経て今、高止まりをしている状況です。反対に、ここ数年で上昇が続いているのが『防音』『空調アイテム』『ルームフレグランス』といった、音や空気、香りに関わるものです。

例えば、テレワーク中に香りをコントロールしてオンオフの気持ちを切り替えたいとか、さまざまな五感を自分なりに調整していくみたいな。元々は『映え』からトレンドが始まったSNSですが、今はより目に見えない部分に心地良さを求め、五感へ暮らしの価値観がシフトしてるのかなと感じます」(竹内さん)

視覚、聴覚以外の五感を提供する新たなプロダクトの誕生

コロナ禍で「五感で感じる心地良さ」に消費者の暮らしの価値観がシフトする中、新たな味覚体験の提供に取り組んでいるのがLOAD & ROADの河野辺和典さんです。同社が開発した「teploティーポット」は、スマートフォンアプリと連携して、お茶を自動抽出するスマートティーポット。

お茶の種類ごとに、もっとも美味しい抽出条件をインプットしたデータベースをアプリに搭載することで、本格的な香りと味を手軽に楽しむことを可能にしました。また、本体内蔵センサーとAIによって飲み⼿の気分や状態 、環境に応じた最適なお茶を淹れるパーソナライズ機能を搭載しているのが最大の特長です。

「お茶のグレードはもちろんですが、茶葉や水の量、抽出温度、時間もお茶の味や香りを左右する重要な要素です。そういった部分を数値制御できれば、知識がなくても、もっと美味しいお茶が楽しめるんじゃないかと、プロダクトの開発を始めました。最初は五感の中でも、味覚・嗅覚の2つにフォーカスしていたのですが、プロダクトを開発する中で、お茶のプロに話を聞いていくと、その時の飲み手の表情やボディーランゲージ、室温や湿度も加味して、ちょっとずつ淹れるお茶の濃さを変えているとおっしゃってたんです。

そこで気付いたのが、五感の中の味覚・嗅覚だけではなく、総合的な体験としてお茶を届けていくことが大切なんじゃないかということです。それで触覚や視覚といった、他の五感の部分でも楽しめる機能を追加した経緯があります」(河野辺さん)

パーソナルな体験の提供から新しい“共体験”、インタラクティブなコミュニケーションの提供へ

スポーツ観戦体験のアップデートにチャレンジしてきた安元さんは、コロナ禍でファンの方がスタジアムに足を運べないことが増えてきている中、共体験や、家や近場で観戦をする機会を提供するための技術が求められていると話します。

「共体験の仕組みが分断・細分化されてきていると感じています。先ほどの大瀬さんのお話のような、スクリーンが全面に出て、自宅で家族と一緒にプライベートビューイングするような共体験がウィズコロナ・アフターコロナを見据えた一つの観戦体験のかたちなのかなと。もちろん、自宅でVRみたいにヘッドマウントディスプレイを着けて、離れたところにいる友達と一緒にリモート観戦するようなことだったり、全然知らない人たちとファン同士でのアノニマスな観戦体験をしたりというのも出てくると思います。

ライフスタイル、新しい観戦体験が生まれる中で、“エンタメ商品に合わせた技術が求められている” と感じますね。ライブ配信、インタラクティブなコミュニケーションは遅延があると成り立たないので、5G・6Gの世界で、そこにいるかのような状態をいかに作り出せるかが、目指すべきかたちの一つだと思っています」(安元さん)

また、大瀬さんはコロナ禍を経てエンターテイメント商品に対してインタラクティブ性がより求められるようになったと話します。

「アーティストが自分のためだけに歌ってくれるとか、自分が参加することで何か影響があるとか、そういったコミュニケーション価値に対するニーズを感じているところです。こういうインタラクティブなことが手軽に体験できるようになると、コロナ禍が明けた時、またこれを超えるような現場のエンタメも出てきて、現場とバーチャルが行き来しながら進化していくんじゃないかと思っています」(大瀬さん)

「VRというと、ゴーグルを付けてパーソナルに消費するイメージだったんですが、大瀬さんがこの4面スクリーンにこだわられている理由はどこにあるんでしょう?」(竹内さん)

「VRはやはりゴーグルを被らなければならない、また1人の世界に入ってしまうので、その場にいるみんなでVR空間を楽しむにはこのかたちで良いのかなという点に個人的には疑問を抱いています。

やはり何の装着もなく共有できる空間というのは、必ずニーズが出てくるんじゃないかなと思っています。最近流行りのメタバース空間であれば、どういうデバイスで参加するのかという点が、今後議論されるでしょう。その時に大事にしたいのは、五感を全部引き出すかたちで参加できるという部分ですね」(大瀬さん)

テクノロジーの掛け合わせでさらなるイノベーションを

登壇者5名は、今後テクノロジーを掛け合わせていくことで住まいとエンタメにさらなるイノベーションを起こしていけるのではないかと、今回のセッションを通じて感じた手応えについてコメントしました。

「視覚や聴覚の追求はまだまだ弱いところがあるので、例えばWarp Squareの中で茶室を作って、そこでお茶を楽しんでもらうとか、6Gバスの移動式の茶室で最高のお茶の体験ができるとか、そういうものをもっと何か仕掛けていけたら面白いかなと思いますね。空間が及ぼす影響は、結構大きいと思います」(河野辺さん)

「記憶や思い出、人の心に寄り添ったものがうまく提示できると、また価値も深まるんじゃないかなと思いますね」(大瀬さん)

「テクノロジーと掛け合わせることによって、何か面白いことが生み出せそうだなと。お茶で言えば、職人のさまざまな入れ方を全部AIでクラウド上に学習してもらって、今の気分に合わせたタイプの職人のお茶をアレンジ、ブレンドするとか。まさに6Gのデモバスで組み込んでもらえるといいなと思います」(安元さん)

「こういう話は、テクノロジーの進展と事業者のビジネスが先行して、消費者が後からついていくかたちが多いと思うんです。消費者・生活者の姿を見ていると、ニーズとずれるところとマッチするところがある。そこの差異を見ていくのが大事だなと思いました。

技術の進展によって五感が同期、共有できるような時代になると、住まい×テクノロジー×エンタメで消費者の生活はさらに豊かなものになっていくという確信を得ましたし、これをきっかけに何か新しい取り組みやプロダクトが生まれることに期待しています」(川本さん)

「各分野のテクノロジーに関わる事業者によるハイブリッドなイノベーションが起こる期待が持てました。未来にはそこから生まれたサービスを活用する生活者同士が豊かに発信し合う姿がイメージされます」(竹内さん)


セッションの模様は、2022年4月12日~2022年5月16日まで期間限定でアーカイブ配信します。

文/久我裕紀

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