メーデーと祝日について
多くの国がメーデーを祝日と定めていますが、日本ではゴールデンウィーク中であるにもかかわらず、メーデーは祝日ではありません。なぜ日本ではメーデーが祝日にならないのでしょうか?
多くの国で5月1日は祝日とされている
メーデーは、国際連合によって定められている国際デーです。そのため、世界の80カ国以上がメーデーを祝日としています。
しかし、日本では5月1日はメーデーが祝日に制定されていません。日本を始め、メーデーが祝日になっていない国もありますが、世界的に見ると少数派です。
祝日になっている国となっていない国の違いは、メーデー誕生の歴史と関係があると考えられます。労働者の働く環境を改善しようという動きが活発に見られた国では、メーデーを重視する傾向があるのです。
また、州によって扱いが違うケースもあります。例えば、連邦制のスイスでは、メーデーが祝日の州と平日の州があるそうです。
日本で祝日にならない理由は?
多くの国で祝日として扱われているメーデーですが、なぜ日本では祝日にならないのでしょうか?
理由の一つとしてあげられるのは『勤労感謝の日』です。『勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう』として定められている勤労感謝の日も、メーデーと同じく労働者の日といえます。
そのため、メーデーを祝日にすると、似た意味合いを持つ祝日が二つできてしまう、という事情から祝日にならないといわれています。
二つめの理由は、『バブル崩壊後の不況』です。日本は平成に入り不況が続きました。そのため、祝日を増やして労働時間を減らすことが見送られ続けたとも考えられています。
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海外でのメーデーの過ごし方
メーデーはゴールデンウィーク中にあるため、海外旅行の予定を組んでいる人も多い期間です。メーデーを海外で過ごす場合には、普段とは違った過ごし方のポイントを押さえておきましょう。
世界各地のメーデーの様子
日本でメーデーといっても、特に混乱が起こることはありません。しかし、世界を見ると、メーデーに事件が起こっている国もあります。
特に、経済が停滞している・失業率が高い・労働者まで好景気の恩恵が行き渡っていない国や地域では、トラブルが起こりやすい傾向があるのです。
このような場所では、デモが激しくなりがちで、発砲事件が起こることもあります。
逆に、楽しいイベントやレストランでの特別サービスがある国や地域もあります。例えばアメリカでは、アートフェスティバルやコンサートといった文化イベントがたくさん催されるそうです。
旅行は現地の状況を考慮しよう
メーデー期間中に海外旅行をするなら、現地がどのような状況になっているのか事前に調べてから、行き先やプランを考えましょう。
そうすることで、「行こうと思っていた美術館に入れなかった」「憧れのレストランやカフェが閉まっていてがっかりした」ということを避けられます。
また、よく状況を知らずに観光に出かけてしまい、デモ隊に巻き込まれてしまう危険性もあるかもしれません。当初は通常のデモでも、突然状況が変わるということもあるので注意が必要です。
安全に充実した時間を過ごすために、事前に状況を調べることはもちろん、そのときどきの状況を見ながら、行動しましょう。
構成/編集部
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