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日本で国民の祝日として定められている、春分の日。祝日であることは知っているものの、どのような意味がある日なのかまでを理解している方は少ないだろう。
そこで本記事では、春分の日の意味・由来を解説した上で、当日の過ごし方について紹介する。その日が祝日である意味を理解すれば、もっとその日を有意義に過ごせるはずだ。
春分の日にはどんな意味があるの?
「春分」は、二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで、昼と夜の長さが同じになる日として知られている。(正確にはまったく同じではなく、昼の方が少し長いそうだ)
二十四節気とは、春・夏・秋・冬の4つの季節をそれぞれさらに6つに分けたもので、有名なものだと他に立春・立夏・夏至・秋分・立冬・冬至などがある。春分の日は、二十四節気における春の4つ目にあたり、英語では「Vernal Equinox Day」と訳される。
春分の日は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ祝日」と定められているが、これはあまり知られていない。
春分の日の起源と由来
春分の日は、お彼岸の時期であることから、もともとは歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式「皇霊祭」が行われる日であった。
明治41年(1908年)の「皇室祭祀令」により「大祭」に指定されたが、1947年に一度それが廃止。翌年1948年に「春分の日」として祝日に定められ、今でも宮中では「春季皇霊祭」が行われている。
春分の日はいつ?その決め方は?
2024年の春分の日は、3月20日(水)。しかし、春分の日は毎年同じ日ではないのをご存知だろうか。
1960年以降から2021年までは3月20日が春分の日だが、1900年から1959年までは3月21日が春分の日であった。直近でも、2022年、2023年の春分の日が3月21日だったことは記憶に新しいだろう。「毎年3月21日前後」が春分の日と決められており、国立天文台が計算した日付をもとに、内閣決議によって決定される。
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春分の日とお彼岸の関係
春分の日は、お彼岸の「中日」にあたる。そのため、お彼岸とも深い関係のある日だ。
お彼岸は、ご先祖さまに感謝を伝える期間とも言われており、その期間に供養を行う風習がある。太陽が真東から昇り真西に沈む春分の日は、ご先祖さまのいる「彼岸」と私たちの世界「此岸(しがん)」が通じやすくなる日とされている。
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春分の日の過ごし方
最初に説明したように、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ祝日」。暖かさを感じられる時期でもあるため、自然に触れるような過ごし方をするのもいいだろう。また、お彼岸の期間であるため、帰省をしてお墓参りを行う人も多いようだ。
お墓参り
ご先祖さまの供養のために、春分の日にお墓参りをするのもいいだろう。特にお盆や秋のお彼岸に帰省できない方は、春分の日を利用してお墓参りをしてみてはどうだろうか。
お墓参りに行けない場合は、仏壇に手を合わせるだけでも良いと言われている。いずれにせよ、春分の日にはご先祖さまに何かしらの形で日頃の感謝を伝えてみよう。
春分の日にはぼたもち(牡丹餅)を食べる
お彼岸を代表する食べ物の一つが、ぼたもち。漢字では牡丹餅と書き、春の花である牡丹を模して作られていることから、そのように名付けられたそうだ。地域によって差はあるが、秋のお彼岸の「おはぎ(御萩)」と同じものを指す。「邪気を払う」という意味が小豆にあることから、御先祖様へのお供えとして定着したようだ。
お墓参りの際にお供えしたぼたもちは、その場で、もしくは持ち帰って食べるのが良いとされている。お供え物を食べることが、ご先祖さまの供養にもなるそうだ。
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文/oki