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【リーダーはつらいよ】「他部署に異動にしても来てもらってよかったと思われる部下を育てたい」アサヒビール・高田豊さん

2019.06.06

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 1年以上続く「若手社員の本音」シリーズは、中間管理職が部下の若手社員を知るための連載だったが、この企画は中間管理職の本音を紹介する新シリーズである。社内でも孤立しがちな中間管理職は、働く現場で何を考え、何に悩み、どんな術を講じているのだろうか。

 シリーズ第2回はアサヒビール株式会社 広域営業本部次長 高田豊さん(42)。彼が率いるのは営業企画グループ。部下は7名で全員女性だ。広域営業本部は1〜4部まであり、全国系のスーパーやコンビニ等を中心とした量販店向けの営業を担う組織である。その中で、高田さんの営業企画グループは1〜4部とは別に本部長の直下で広域営業本部の組織運営及び、営業支援を行っている。彼の直属の上司は1〜4部を束ねる本部長である。

 要は1〜4部の営業部署が成果を出しやすいよう後方からのサポートする、それが営業企画グループの主な仕事だ。本部長の命を受け、働き方改革の一環として、2名の部下とともに業務改善に取り組んだ高田さん。広域営業本部の営業マンにヒアリングし、改善点を明確化していく中で、部下の仕事ぶりを語る。

その背景には何があるのか

 業務効率化のためのヒアリングを行った部下の一人は入社以来、十数年、何かを取りまとめたり、自分の考えで何かを進めたりした体験がなかった。できれば自分が中心的な立場となり、一つの物事を進めるために、どんなデータが必要なのか。誰に頼めばいいのか。自分で組み立てられるようになってもらえたらと、彼は思っている。

 営業の人へのヒアリングの時も、「なぜ、そんな話をしたの?その人がそう言っている背景はなんなの?」「あっ、聞いてないです」「それじゃ意味ないよ」という感じで、部下には、「その背景に何があるのか、考えながらやらないと」それとなく、そう高田は言い続けた。

 他の部下への言葉も同様だ。部下たちはそれぞれビール類、酎ハイ等、焼酎、洋酒等のカテゴリーを担当している。広域営業本部の各部署からでてくる数字に疑問があれば、部の営業の人に聞きに行く時もある。

 例えばあるチェーンでは売り上げ見込みに対して、数字が届いていない。「新商品が採用されていない、特売も取れていない状況です」そんな部下の報告には、「なんで特売が取れないの?そこを聞かないと何も進まないよ」と、彼は言葉をかける。どうすれば特売を入れられるのか。今の施策でうまくいかないなら、それを考える量販統括部に現場の実情を伝えて相談してみるとか。

「うまくいってない理由をつかんで、うまくいく方法がないかを考えて」と、これも彼が部下によく言うことである。

一見強面だが、飲むとニコニコ

 背景に何があるのかを知る――そんな発想は近畿地区の営業マンだった20代の頃からだった。老舗スーパーの本部を担当していた時、休日は子供を連れ家族で、必ずそのスーパーで買い物をした。すると、そのスーパーの魅力の背景が見えてくる。高田は言う。

「ある日、スーパーの商品部長に『御社のひき肉、やたらに美味しいですね』と、話をしたんです。そしたらたまたまその部長が元生肉の担当だったので、“あっ、わかってくれるんや”という感じになって。一気に距離感が縮まった」メーカーの営業というより、店を使ってくれている客という目線で、部長は高田を見てくれるようになった。

「せっかく特売で安い値段をつけているのに、売価の見せ方が安く見えません。もったいないですよ」そんな話も、商品部長の前で口にした。すると、スーパーの利用者の発言ととらえてくれ、自社製品の納品がさらに楽になったという。

 酒造メーカーに入社したのは、もちろん酒が好きだからだ。だが高田は部下とあまり飲まないそうだ。「お酒を飲みながら仕事の話をすると、説教臭くなるでしょう」でも、仲良くしてくれる後輩は大切である。

「僕は愛想が悪いし、怖そうだと思われるみたいで。『でも、次長は飲むとニコニコして印象が変わりますよ』とか、言ってくれる後輩は大事にしたいなと思っているんですよ」

 一見、強面の高田だが、部下が割とよく言ってくれていることにも気づいている。「高田次長が来て、部内の雰囲気が良くなりましたよ」と部下に言われた時は、思わず笑みがこぼれた。「ブレないからいいですよね」という部下の言葉も、嬉しかった。

「そりゃ前に言ったことと、今日言うことが違うことはありますよ。会社が状況によってやり方を変えるのは当たり前ですから」そんな時は、なぜ前の指示と違うのか、部下にはその背景をきちんと説明することを心がけている。

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