食卓に欠かせない調味料の一つであるソース。とはいうものの、使い道はフライにかけるだけ、というケースが多いのではないだろうか? しかし、肉じゃがや煮魚、炊き込みご飯がソースでつくれるとしたらどうだろう。おそらく、多くの人が驚くはずである。この信じられないソースを開発したのは、ブルドックソース。2012年8月から発売している『ブルドック うまソース』がそれである。
『ブルドック うまソース』は中濃ソースをベースに昆布エキスやかつおだし、にんにく、しょうがなどを加え、ソースとしてだけではなく、たれやつゆとしても使えるよう万能調味料として仕上げたもの。和食、洋食、中華と、幅広い調理に用いることができる。2012年に『日本食糧新聞』で優秀ヒット賞を受賞したほか、「日本アクセスフードコンベンション Mart読者が決める新商品グランプリ」で東日本の1位を獲得(西日本では3位)した、折り紙付きのヒット商品。発売から1年数か月で300万本売れている。
『ブルドック うまソース』はブルドックソースの創業110周年を機に発売された記念すべき新商品であった。記念すべき年に発売した新商品が、なぜ万能調味料だったのか。背景にあったのは、万能調味料に対する高いニーズだった。
万能調味料のニーズが高まってきた要因は少子高齢化や共働き家庭の増加などさまざまだが、これに伴い、ソースや醤油、みりん、酒、砂糖、塩といった基礎調味料の市場は縮小傾向に。ソースのリーディングカンパニーとして、この状況に一石を投じるべく企画された。
「市場の活性化を図りながら盛り返していきたい、という思いから創業110周年をメドに何か新商品を出せないか検討してきました。市場調査を実施したところ、若い家庭では基礎調味料を合わせて料理をすることが苦手だという結果が見えてきました」
こう語るのは、経営企画室経営企画総務グループ リーダーの佐藤勝敏氏。市場縮小に歯止めをかけ盛り上げるべく、ブルドックソースは思い切って仕掛けることにしたのである。
ブルドックソースの佐藤勝敏氏。