僕はチャレンジしてみたい。『やってみたい』と思うタイプ
23歳という若さでメジャーに挑戦すること、まだ見ぬ世界へ飛び込み、新たな環境で勝負することへの不安がなかったとは言い切れない。ただ、大谷には「チャレンジしてみたい」思いが強くあった。同じく、渡米前の言葉だ。
「これまで自分の中で作ってきたもの、形作ってきたものがあって、ある程度はそれを受け入れてもらえる器というか、チームがあって、おそらくそれを続けていけば、これからもそんなに大崩れすることはないと思っています。ただ、実際にメジャーでプレーをしていない。大崩れするような可能性を持って(メジャーへ)行くわけなので、それは不安ですよね。全く違う環境に行くということは、どの分野でも不安なことが多いと思う。でも、さらに自分自身が良くなる可能性がそこにあったら、僕はチャレンジしてみたい。『やってみたい』と思うタイプの人間なので」
大谷は、野球の「てっぺん」を目指す中で日々の取り組みを大事にしている。試して実践。試合で課題が出れば、その足りなかった部分をしっかりと受け止め、目の前にある課題を埋めるために再び試す作業を繰り返す。技術の部分では「常に変化していきたい」と、大谷は言うのだ。
日本ハムからのまさかのドラフト1位指名。困惑の表情を見せる。
取材・文
ささき・とおる/1974年岩手県生まれ。スポーツライター。主に野球をフィールドに活動する中で、大谷翔平の取材を花巻東高校時代の15歳から続ける。近著『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』(扶桑社)がヒットとなっている。