◎人と地域をつなぐミニマルな家屋【無印良品の小屋】
今秋より個人向け販売が始まる大型アイテムは、まさかの小屋! 「現代人の住まいに対する考え方が多様化する中、大切なのは家ではなく〝暮らし方〟ではないかと考えました。そこで開発に着手したのが『無印良品の小屋』。暮らし方の選択肢がさらに広がると想定し、思い切ってシンプルな形にしました」(生明さん)
その思い切りとは、ミニマルな外観、内装だけでなく、生活するうえで必要となるキッチン、シャワー、トイレさえも設置していないこと。雨風が凌げるだけの〝空間〟なのだ。しかし、その不完全さにこそ意味があるという。「何もないから、代替となるインフラ施設や近隣の人など、地域に関わらざるを得ない。逆に言えば、この小屋を媒介としてコミュニティーが生まれ、結果、地域社会の活性化にもつながる。それが、この小屋を販売した理由の1つなのです」(生明さん)
外壁は国産杉材を使い、焼杉手法で強度を高めた。内部の壁はあえて無塗装に。
写真のように内装は極めてシンプル。価格は材料費、施工・作業費込みで300万円(税込み)。
広さは9.1平方メートルだが、縁側や傾斜屋根、大ぶりの窓などが設えられており、狭さを感じさせない。
文/編集部
※記事内のデータ等については取材時のものです。