
コンパクトな車体に広い荷室スペース、そして手頃な維持コスト。軽キャブバン、ダイハツ『ハイゼットカーゴ』は、製造業や輸送業、サービス業など幅広いジャンルの仕事に欠かせないプロフェッショナルツールとして知られている。なかでも、かさ張る建築資材や道工具を積んで移動する、建設業や内装業に携わる「職人」からは高く評価されてきた。
この『ハイゼットカーゴ』が、2017年11月に大規模なマイナーチェンジを実施した。かつて、軽キャブバンといえば実用性が最優先されてきたが、今回ダイハツでは実用性に限らず「安全性」や「ユーティリティ」の向上、「エクステリア」の刷新を図るなど、新たな価値と魅力が与えられた。
何故か? 長年にわたりハイゼットシリーズの開発を担当するチーフエンジニア、鈴鹿信之さんに大規模マイナーチェンジの意図とこだわりを聞いた。
■マイナーチェンジの理由は? そして、何が変わったのか。
ダイハツ
『ハイゼットカーゴ』
92万3400円(スペシャル 標準ルーフ 2WD・5MT)~149万5800円(クルーズターボ”SA III” 4WD・4AT)※価格は消費税8%込み
※写真は「デラックス “SA III”」2WD、4AT、ボディカラー:ブライトシルバーメタリック。
「格好イイ軽キャブバンが欲しい、新しい『ハイゼットカーゴ』をはやく見せて欲しいというの声もありましたが、もうひとつ理由があります。
ここ数年、安全・安心についてユーザーの関心が急速に高まってきました。ダイハツでは2012年に衝突被害軽減ブレーキなどを搭載した「スマートアシスト」を軽乗用車として初めて採用しています。軽キャブバンは会社として複数台購入いただくケースも少なくありませんし、個人オーナーさんも仕事で毎日乗られる方が大半です。安全装備は乗用車だけのものではありませんから、できるだけ早く、ハイゼットを使われるドライバーやご家族に安全・安心を提供したいという思いがありました」と、鈴鹿さんはマイナーチェンジの理由を語る。
ダイハツ工業
DMGユニット 車両開発本部 製品企画部
チーフ エンジニア
鈴鹿信之さん
1957年、大阪府生まれ。1981年入社。実験部、電子技術部で車載電子部品の開発を担当。2004年にハイゼットシリーズの製品企画担当となり、現在は開発全般を指揮するチーフエンジニアを務める。
詳細な解説へと移る前に、新ハイゼットカーゴに施された、おもな改良点を挙げてみよう。
●外装のデザインの変更
●内装のデザイン&ユーティリティ向上
●安全・安心のスマートアシストIII
●低燃費
●豊富なバリエーション(カラーバリエーション含む)
というのが、今回のマイナーチェンジのキーポイントだ。
グレード展開や駆動系メカニズムについては従来モデルと踏襲しており、最高出力64psのターボエンジンを搭載する最上位モデル「クルーズターボ」を筆頭に、53ps(AT車)/46ps(MT車)の自然吸気モデルとして「クルーズ」、「デラックス」、「スペシャルクリーン」、「スペシャル」を用意する。
グレードによってハイルーフと標準ルーフが設定され、4WD車や車体後部をオープンデッキとした「デッキバン」も従来どおり健在だ。デュアルエアSRSバッグやABSは全モデルに標準装備、スマートアシストIIIについては、AT車は各モデルで搭載グレードが用意される。
こうしたワイドなバリエーションとグレード展開は歴代ハイゼットの美点であり、用途に合わせた1台が選べるというのも、プロフェッショナルを魅了する理由のひとつだろう。
120万9600円(デッキバンL 2WD・5MT)~148万8240円(デッキバンG SA III 4WD・5MT)
※価格は消費税8%込み
※写真は「デッキバンL “SA III”」2WD、4AT、ボディカラー:ブライトシルバーメタリック。