悪質クレーマーにならないためには
悪質クレーマーの対処法を知っておくのはもちろん重要だが、今の時代、自分も悪質クレーマーになる可能性がある。悪質クレーマーにならない、適切なクレームのつけ方はあるだろうか。
援川氏は、「自分の名前を名乗って、相手にも名前を聞く」作業をするようにとアドバイスする。多くの悪質クレーマーは自分の名前を名乗らないそうだ。メールやSNSで大胆なクレームをつけられるのは、個人が断定されないからという無責任な安心感があるからだろう。名前を名乗ることで、自分の意見に責任を持ち、正当なクレームであることを示すことができる。
また、本当に言いたいことはアンケート用紙など文書で伝えるのがお勧めだという。文章にする段階で問題が整理されるので、冷静に伝えることができる。なお、筆者は過去に某デパートに2年ほど勤務していたが、アンケート用紙に書かれたお客様の声は非常に重視され、社員間で共有されていた。また、個人的に、スーパーに取り扱ってもらいたい製品をアンケート用紙に書いて投書したところ、取り扱いを始めてもらった経験もある。お客の要望は、とても真面目に、真摯に耳を傾けられているのだ。
不安な現代、悪質クレーマーの被害に遭うことや、自分自身が悪質クレーマーになることもあるかもしれない。そういった時代であることをしっかり認識し、できるだけ心のゆとりを持ってモンスターに変身しないように生活していきたいものだ。
構成/いのうえゆきひろ
文/房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。