2. 面倒な人ほど落ち着いた「ギブアップ・トーク」
「責任者を出せ!」「今すぐお詫びに来い」「誠意を見せろ!」という悪質クレーマーの常套句には、落ち着いて、立ち向かわずに、土俵に上がらずに上手にかわして、相手に無理だと分からせる。これを「ギブアップ・トーク」という。
「今すぐ来いといわれても無理です」
「今すぐ答えを出せといわれても無理です」
「異物混入は企業にとっては重大で、大切なこと。しかも難しいことです。過失の度合いなどいろんな要点があり、今すぐ誠意を見せるとか責任を取ることは難しいのでできません」
「大切なことだから、この場で/電話で答えることはできません」
「しっかりと検査し、協議した上で返事をさせてもらいます」
こういって無理だと分からせ、責任をもって答えるためにクレーマーの名前と連絡先を聞く。責任者を出せ、上司を出せと言われても、「私が責任者で、私が責任をもって答える」という。社長を出せといわれても、「それを断って何も問題ない」と援川氏はいう。
3. 電話での怒鳴り声や金切り声には自分で音量調整を
怒鳴り声、金切り声は電話でも恐ろしく感じるものだ。その場合は「音量調整をする」。つまり、受話器を耳から離す。受話器を置いても構わないと援川氏はいう。
「クレーマーに言葉尻を捕まえられるよりは、沈黙の方が金。相手の話を聞く方にまわり、答えるのは2割くらいでいい。『聞いているのか!』といわれたら、受話器を取り上げて『聞いております』と出る。『何で答えないのか!』と聞かれたら、『難しいことなので、今すぐには対応できません』と答えればいい(援川氏)。