【03】
エラ・フィッツジェラルド『テイク・ラヴ・イージー』(Pablo)1973年
〝女王〟エラと超絶技巧ギタリスト、ジョー・パスのデュエット。年齢とともに重ねた豊かな表現力で、一切の無駄をそぎ落とした究極の歌声を聴かせる。そしてそれは最高のくつろぎでもあった。
村井康司(音楽評論家)
『ジャズ・ヴォーカル・コレクション』で「ジャズ歌ほぼ100年史」連載中。
【04】
ラシェル・フェレル『デビュー!』(Somethin’ Else)1990年
サラ・ヴォーンが亡くなった90年にデビュー。驚異的に広い音域を持ち、歌の常識から自らを解き放ち、歌いたいように歌う姿勢が素晴らしい。現役のヴォーカリストだから活動をリアルタイムで目撃すべし。
吉田隆一(バリトン・サックス奏者)
新垣隆とのデュオ『N/Y』(apollo sounds)、blacksheep『+ -Beast-』(velvet sun products)発売中。
【05】
美空ひばり『ラヴ! ジャズ&スタンダード・コンプリート・コレクション』
(日本コロムビア)1955〜66年
ひばりがジャズ? という人こそ必聴。エラ、サラ、カーメンに比肩する圧倒的歌唱力、表現力が濃縮されている。日本が誇る半世紀先を歩んだ「インバウンド・コンテンツ」こそ美空ひばりなのだ!
小林慎一郎(『ジャズ・ヴォーカル・コレクション』編集長)