テレビはさらに美しい映像再現を求めて、明るさを劇的に変える4Kの新規格「HDR」を採用。一方ゲームでは、360度見回せるVR関連製品がヒットの兆しだ。
■VRが映像、ゲーム、モバイルを席巻
映像・エンタメ分野では、CESとMWCの両方で、VRが注目を集めた。CESでは『Oculus Rift』や『PlayStation VR』といったVRゲームが発売間近とあって、注目の的に。またMWCでは、サムスンが記者発表イベントにヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使用して、話題になった。「VRは今後、映像作品の作り方を大きく変えていく可能性がある」と語るのは、ジャーナリストでオーディオ&ビジュアル評論家の本田雅一さん。ゲームだけでなく、映画をHMDで楽しむ日も、そう遠い話ではなさそうだ。
一方テレビでは、映像の色再現を劇的に変える4Kの高画質化技術「HDR」に対応したテレビが、いよいよ新製品として登場。「HDRは人間の目で見たままの明るさ、色鮮やかさで映像を再現する。風景を映せば、そこに窓があるかのように感じるはずです」(前出)。今後は動画配信やパッケージ作品にも4K/HDR対応のコンテンツが登場するとのことなので、期待したい。
■これからのテレビ選びはHDR対応がポイントに
パナソニックはCESで、4K/HDR対応を示す「ULTRA HDプレミアム」ロゴプログラムの仕様に準拠した、テレビとブルーレイレコーダーを発表した。このロゴプログラムは電器メーカー、映画会社、動画配信会社らが集まる業界団体で定めるもの。今後テレビ購入時のチェックポイントになりそうだ。
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■VRエンタメ、本格ゲームだけでなくスマホで手軽に体験も
『Oculus Rift』や『PlayStation VR』の発売で、ゲームは一気にVR化が進む。一方MWCでは、サムスンのほかLGからも、スマホを使って楽しむVRヘッドセットが発表に。画質は劣るが手軽にVR体験したいなら、スマホとHMDやヘッドセットの組み合わせがちょうどいい入り口になりそうだ。
■360度のVR映像をSNSでシェアできる
MWCではサムスンが360度カメラ『Samsung Gear 360』(左)を発表。CESではニコンも360度撮影可能な『KeyMission 360』(右)を参考出展していた。なおサムスンの発表会にはFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグ氏も登壇し、Facebookの360度動画対応をアピールしていた。
写真/AP・アフロ、AFP=時事、EPA=時事、ZUMA Press/amanaimages
文/編集部