
「IoT」や「自動運転」など雨後の筍のように生まれる新技術。果たしてその技術の先にはどんなヒット商品があるのか。今年開催された世界最大の家電&モバイルショーから注目の製品・サービスをピックアップしてみた。
■世界の家電&モバイルショー(CES・MWC)から見えてきたNEXTテクノロジー
世界最大の家電ショー「CES」(アメリカ)と、同じく世界最大のモバイルショー「MWC」(スペイン)。今年1月と2月に開かれた両イベントを本誌記者がレポート。これは来る! と睨んだ未来のヒット商品とは?
IoTの中心デバイスとして、ますますその役割が大きくなるスマートフォン。また通信の高速化、大容量化に伴い、スマホ以外にもモバイルにつながる機器が増えそうだ。
今話題のキーワード「IoT(Internet of Things)」の先にあるのは、あらゆるモノがネットワークにつながる世界。様々なセンサーから得た情報をクラウドに集約して人工知能が学習し、家もクルマも仕事も遊びもより便利で快適になる。今年のCESとMWCでは、そんな新しい世界に向けた技術や製品を数多く見ることができた。
例えばMWCで目立っていたのが、スマホメーカーが手がけるスマホ以外の機器だ。サムスンはバーチャルリアリティー(VR)動画の中継を実現する360度カメラ(P23参照)を発表。またソニーモバイルからも音声操作可能なヘッドセットやタッチ操作ができるプロジェクターなどのコンセプトが発表された。
「ソニーのプロジェクターのように、今後はスマホ以外の機器もSIMを内蔵し、モバイルネットワークにつながるようになる」と予測するのは、ケータイジャーナリストの石川温さん。一方スマホは、LGが発表した『G5』のように、必要な機能を組み合わせて使うモジュール化(カスタマイズ化)が進む可能性もありそうだ。
「モジュール化のコンセプトは、すでにグーグルでも開発中。将来は自分が欲しい機能だけを組み合わせたスマホが持てるようになるかもしれません」(前出)
■周辺機器の拡大、スマホとつながる機器をメーカー自ら提案
機種ごとの差別化が難しくなる中、スマホメーカーは周辺機器との連携でスマホの価値を高める方向へ。またソニーはMWCで、『Xperia』ブランドをスマホ以外の機器へも拡大すると発表した。
ソニーモバイルは音声操作で情報の読み上げができるヘッドセットを発表。ほかにカメラ、プロジェクター、音声操作が可能な据え置き型デバイスのコンセプトモデルも公開した。
LGはバッテリー部分のモジュールを組み替えることで、スマホに機能を追加できる新製品『G5』を発表。今はカメラの操作部とアンプのみのカスタマイズで、組み替え手順も少し面倒だが、今後のモジュール拡大に期待したい。
LGは360度カメラ、VRヘッドセットのほか、スマホからコントロールできるボール型カメラも発表。