ネットワークにつながることで音声認識や、情報検索、車内エンタメ、さらには自動運転まで、クルマでできることが拡大。メーカーはすでに、自動運転の先まで見つめている。
■つながるクルマでカーライフが激変
ここ数年のCESで最も盛り上がりを見せているのが、つながるクルマ「コネクテッドカー」だ。クルマがいつもネットワークにつながっていれば、車載システムにスマホのような機能を持たせることもできる。さらに音声やジェスチャーによるコントロール、遠隔操作も可能になり、「クルマを降りたあとのオーナー体験ががらりと変わる」と、モータージャーナリストの川端由美さんは言う。
一方搭載された様々なセンサーから情報を収集。ビッグデータを解析できるようになれば、自動運転の精度をより高めることも可能だ。完全手放しの全自動運転も、「たくさんのデータをもとに機械学習が進めば、あとは法律や保険の問題だけ。実現もそう遠い未来ではないはず」と川端さん。さらに今年のCESではオーディオメーカーなどが、ハンドル操作から解放された車内でどう過ごすかを提案していた。「自動運転はもう当たり前のものとして、その先のクルマをどう利用するかを考える段階なのかもしれませんね」。
■ジェスチャーコントロール、音声や仕草でクルマと会話する時代に
CESでは車載システムの操作方法として、音声認識のほか、ジェスチャーや視線を使った操作も見ることができた。BMWは車外でのジェスチャー操作で自動駐車を可能にする技術を発表。ハンドル操作以外のクルマとのコミュニケーション方法が模索されている。
■サイドミラーをなくしてワイド映像で周囲を確認
BMWはCESに、サイドミラーの代わりにカメラを設置したコンセプトカーを出展。バック&サイドのライブ映像を合成し、バックミラー型のディスプレイに表示する技術を紹介した。多少違和感はあるものの一目ですべて見渡すことができる。空気抵抗が減る分、燃費の向上も期待できるとのことだ。
■ぶつからないクルマや人工知能の研究に注力
トヨタは各界のエキスパートを集めて、人工知能の研究を行なう新会社を設立。人工知能を活用することでより安心・安全な自動運転の実現を目指すほか、CESには走行しながらぶつからない方法を学習する、機械学習のデモも出展した。
■収納できるハンドルも!自動運転の車内で仕事ができる
オーディオメーカーのハーマンは、自動運転の車内でハンドルを収納し、ビジネスができる車載システムを発表。Office 365が利用でき、メールやスケジュールのチェック、ビデオ会議も可能だ。