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【5分で簡単おつまみレシピ】キノコのカルボナーラ

2016.06.23

『今日のうんちく』~イタリア料理の〇〇風というネーミング~

カルボナーラと言えばパスタやピザの種類であり、その味は「濃厚なクリーム系のソース」という事までもが皆さんの共通認識だと思います。では、このカルボナーラというメニュー名は、イタリア語から日本語に直訳するとなんというかはご存知でしょうか?

正解は…、「炭焼き職人風」でした。

炭焼き職人風という名前の由来は、「イタリアのとある炭焼き職人が仕事の合間にパスタを作ったとき、手に炭が付いたまま作ったのでパスタ皿の仕上がりに炭がかかってしまっていたが、それが逆に美味しそうであった」というエピソードからなんです。現在のカルボナーラはこの炭の代わりに、黒コショウを仕上げに振りかけるのがオーソドックスとなっています。

ということで、カルボナーラに大切なのは生クリームでも卵でもなく、黒コショウなのですね。言うなれば、クリーム系のソースでなくとも仕上げに黒コショウを振りかけるだけで炭焼き職人風と言えてしまうので、全く違う料理でもカルボナーラと呼んでもいいのかも知れませんね(笑)

また、カルボナーラ(炭焼き職人風)と同じように、イタリア料理には「〇〇風」と言ったネーミングがなんとなくでつけられている料理がたくさんあるので紹介したいと思います。

〇ブッタネスカ(娼婦風)

 トマトベースで、具にアンチョビ、オリーブ、ケッパーが使われ、唐辛子で辛く仕上げられたソース。名前の由来は諸説ありますが「娼婦がその美味しさに客引きの口実に使ったほどであるから」「忙しい娼婦が海の素材も山の素材もごちゃ混ぜにして作ったから」「スパイシーな刺激が娼婦をイメージさせるから」などなど。料理の味とネーミングがあまり関係のない料理No.1と言えるかも知れません。

〇ペスカトーレ(漁師風)とマリナーラ(船乗り職人風)

 両方とも海鮮系で同じようなイメージが沸くと思いますが、まったく違う料理です。ペスカトーレとはイメージ通りに魚介たっぷりのソースであるのに対し、マリナーラはトマトソースをベースにニンニクとオレガノが入っただけのシンプルなソース。ペスカトーレは漁師が作るソースですが、マリナーラは船乗りたちの中で流行した味の組み合わせをパン屋にリクエストして作らせていたのが世間に広まったと言うだけ。同じようなニュアンスに感じますが、全然違うレシピであるため、ややこしさNo.1、2のネーミングと言えるかもしれません。

〇その他の業種系ネーミング

・カチャトーラ(猟師風)は肉系の煮込みのソースですが、それに使われる肉は、鳥でも豚でも子羊でもなんでもOKであり、作り方もなんとなくである。

・コンダディーナ(農家風)はそのイメージの通り、野菜をメインにしたパスタソース。ただ、この料理も野菜をメインにしていればそれだけでOKなので、具体的にどんな味かは人それぞれとなっており、なんとなくである。

・ボスカイオーラ(木こり風)は森で採れるキノコをメインに使ったソースであるが、これまたルールはそれだけで、トマトベースでもオイルベースでも、ソースに決まりはなしのなんとなく。

等々ありますが、他にもイタリア料理はざっくりとしたネーミングがたくさんです。イメージだけで料理名にするという発想は、イタリア人のノリの良さにも通ずるところがあるのでしょうか(笑)

イタリア人の軽いノリ、僕は大好きです。…と言っても思い浮かぶのは、パンツェッタ・ジローラモさんのことですが(笑)。

最後に本題と関係ない話ですが、ジローラモさんがイタリア人を代表するなんとなくのイメージという認識で僕、間違ってないですよね?

文/藤田晋也

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