神田神保町アナログレコードお宝探しの旅

2018.05.03

◎失敗していい値段は1000円以下と決めてます

　2軒目は『レコード社』。ここは1階が歌謡曲、2階がロック、ジャズ、3階がクラシックと3万枚以上の所蔵。店内には、クラシカルなアメリカ製の蓄音器（99万円）が販売されていたりとマニアならずとも飽きないレコード店。ここでは映画のサントラ盤探しに没頭する。

「昔はDVDとかなかったんで、映画関係で集めたものといえば、パンフレットとサントラ盤。実は『禁じられた遊び』（52年仏）ばっかり買ってるんですよ、でも今も珍しいものあるとつい買っちゃって…」

　みうらさん、ドーナツ盤の『禁じられた遊び』を手にして「これあったっけな〜？」、首を傾げながら悩むこと30秒――。

「800円ならいいか、失敗していい値段は1000円以下で決めてますから。ジャケット違っても中身が同じこと、よくあるんです。でもいいジャケットだとついつい騙されて買っちゃう（笑）。あと楽団に騙されるな！　ってのがありますね。曲は同じでも映画と全くテイストの違う音楽、聴いて愕然とする」

　そして、最近のアナログ盤復活の話に。

「みんな、レコードの面倒くささわかってるんですかね。僕らの使ってたクリーナーとかもゴミは取れず静電気がパチパチ発生したり、スプレー式のものは逆に溝が埋まってしまったり…今思うといいことなかった。友達と貸し借りもよくしてましたね。でもいいところで傷つけちゃって針が飛ぶと、心の傷は治りませんでしたね（笑）」

　エルトン・ジョン初のサントラ盤『フレンズ』、「続・荒野の用心棒」、「ネブラスカの一匹狼」などの収録されたベスト盤『郷愁のマカロニ・ウエスタン・テーマ』、そしてジャケ買い（？）なのかフランケンが表紙の『怪奇映画傑作選』も加わり、合わせて6500円也。

「これ聴くの楽しみだなぁ〜、じぁここでねっ!!」

　両手にレコード抱えた、56歳、みうらさんの足取りはとても軽かった。