このところ2024年問題が話題となっている。物流業界に限らず社会的に時間外労働への注目が高まっているが、「残業」に関して現代のビジネスパーソンはどのような意識を持っているだろうか。
総合転職エージェントのワークポートは、全国のビジネスパーソン631人(20代~40代・男女)を対象に、「残業に関する意識」についてアンケート調査を実施した。
残業時間は月平均1~5時間が最多!負担が増える原因は人手不足などでの残業常態化
はじめに、対象者全員に1ヵ月の平均残業時間はどれぐらいか聞いたところ、「1~5時間」が16.8%で最多となった。次いで、「0時間(残業なし)」(13.8%)、「16~20時間」(11.9%)の順に。
なお、その残業量をどう捉えているかも併せて質問したところ、月平均10時間以下だと「残業が少ない」、26時間以上だと「残業が多い」と感じる人が多い傾向がみられる。
残業があるとした人にどのような理由で残業をしているか聞いたところ、残業が「少ない」と感じている人からは「突発的な業務の処理のため」(30代・女性・事務)、「顧客対応が長引く場合があるため」(20代・男性・コールセンター)といったイレギュラーな事象が多く挙がっていた。
反対に残業が「多い」と感じている人からは「仕事量に対して人が足りないため」(30代・男性・建築土木)、「日々のルーティンワークをするため」(30代・男性・運輸交通)、「それが当たり前になっているから」(20代・男性・営業)など、常態的に残業が必要になっていることがうかがえる意見が多く寄せられた。
▼残業が少ないと感じている人の残業理由(一部抜粋)
・「不具合対応や他部署からの緊急対応のため」(40代・男性・製造)
・「電話応対に時間を取られて就業時間中に業務が終わらない場合があるため」(40代・女性・事務)
・「キリのよいところまで業務をするため」(40代・男性・システムエンジニア)
・「月次の請求業務のため」(20代・女性・医療福祉介護)
▼残業が多いと感じている人の残業理由(一部抜粋)
・「残業前提の業務量になっているため」(20代・男性・システムエンジニア)
・「制作数のノルマを達成するため」(30代・女性・クリエイター)
・「日中は運転をしており、たまる事務仕事をするため」(40代・男性・運輸交通)
・「責任者ゆえ全業務終了まで退勤できないため」(40代・女性・接客販売)
・「残業しないと、同意なくパート勤務に降格されると脅されているから」(30代・男性・製造)
残業を「したくない」77.8%でプライベート重視派が多数を占めるが、一部「残業で稼ぎたい」派も
続いて、対象者全員に残業をしたいと思うか聞いたところ、「まったくしたくない」(26.1%)、「あまりしたくない」(51.7%)が合わせて77.8%と8割近くにのぼっていた。
残業をしたくないと回答した人にその理由を聞いたところ、「自分の時間を大切にしたいから」(30代・女性・事務)、「家族との時間を確保するため」(40代・男性・営業)などプライベートを重視したいとする意見が中心となっていることが判明。
また、「継続的な残業は生産性が低下するため」(40代・男性・コンサルタント)、「メリハリがなくなり就業時間中のパフォーマンスが落ちるため」(20代・女性・システムエンジニア)など、仕事の質を保つために残業をしたくないとする意見も多い。
▼残業をしたくないと思う理由(一部抜粋)
・「自分の時間と家族の時間を確保し、ワークライフバランスを充実させるため」(30代・女性・建築土木)
・「私生活が大切だから。また、疲労やストレスをためずに翌日健やかに仕事をしたいから」(30代・男性・製造)
・「会社としても割増で給料を支払わないといけなくなり、従業員側も自由に使える時間を削っていると思うため」(30代・男性・管理)
・「集中力が落ちて効率が悪いため。また、翌日にひびくから」(40代・女性・管理)
・「残業代が出ないから」(30代・男性・製造)
一方、残業をしたいと回答した人に理由を聞いたところ、主に「残業代を稼ぐため」(40代・男性・機械系エンジニア)など収入を増やすことを目的とした意見が挙がっていた。
▼残業をしたいと思う理由(一部抜粋)
・「基本給が低いため」(30代・女性・管理)
・「稼ぎに影響することと、成長のためには多少の残業の必要性を感じるため」(30代・男性・製造)
・「次の日に仕事を持ち越したくないから」(20代・女性・接客販売)
・「就業時間中はコア業務に集中したいから」(30代・男性・営業)