一般的にミルクといえばまず牛乳を思い浮かべるが、近頃は牛乳以外の飲料を “ミルク” と呼ぶことがある。我々の生活にすっかり定着した豆乳=ソイミルクもその1つだ。
牛乳の代わりとして使われることが多かった豆乳を第2のミルクとして、近年急激に勢力を伸ばし始めているのが “第3のミルク” と呼ばれる代替ミルクだ。
牛乳でも豆乳でもない “第3のミルク” の利点
第3のミルクに明確な定義はないが、豆乳の原料である大豆以外の植物性原料を主に作られたミルク飲料を指すことが多い。
第3のミルクと呼ばれる植物性ミルクの大きな利点は、乳製品を口にできない人でも飲めることだ。乳糖不耐症、アレルギー、ヴィーガン、ベジタリアンなどの事情を抱える人は世界中にいるが、そんな人々が口にするラテやスープにも使うことができる。
植物性ミルクは牛乳に比べて製造過程での環境負荷が少ないことも注目を集める要因だ。牛乳を生み出す乳牛のゲップや排泄物には温室効果ガス(メタンガス)が含まれているだけでなく、管理には広大な土地が必要なこと、水の消費の多さなどが近年問題視されている。
植物性ミルクの原料は主に豆やシード(種子)であり、乳牛ほどのエネルギーを使わずに製造できる。多くの製品は常温で長期保存でき、ビタミンEや食物繊維などの優れた栄養素を含んでいたり、牛乳に比べるとカロリーや脂質が低い製品も多いこともメリットだ。
デメリットは少ないといわれるが、味にクセがあったり、牛乳や豆乳に比べると価格が高い製品が多い。日本で認知度が低いものになると、一般的なスーパーでは手に入りにくいこともネックといえるだろう。