★今日のうんちく 〜ホタテの貝殻〜
ホタテといえば、扇状の大きな二枚貝の物は皆さん想像付くと思います。その二枚貝の中に、今回料理に使った貝柱が入ってるのですが、この貝柱はあくまでこの二枚の貝を開閉するための腱のような物。貝の中にはその他に、心臓、エラ、眼、生殖巣、その他内臓もしっかりと存在してるんですよ。実際にスーパー等では貝柱にされた常態でしか見かけないので、他の臓器などは知らない人が多いですよね。
ではここで、問題です。ホタテの成長した姿は皆さんご存知かと思いますが、生まれたてのホタテはどのような物なんでしょうか?さぁ、お考え下さい。おたまじゃくしがカエルに変化する様に、ホタテも何かから変化するのでしょうか?そんな話は聞いた事ありませんよね?
正解は、「生まれた時からホタテの形をして生まれてくる」なんです。あの、皆さんご存知のホタテが、まったく同じシルエットで、0コンマ何ミリの単位の稚貝として、卵から孵化して生まれてくるんです。これ、想像するとなんとも可愛い姿ですよね〜。その小さな小さな生まれたてのホタテは、孵化後は暫く海中にフワフワ浮いて過ごし、ある程度大きくなってからは海草などに付着しながら栄養を蓄えて、貝殻が大きく重くなってくると海底へ落ちて、成貝へとなっていくんだそうです。
それにしても、改めてこういう事考えてみると、貝の貝殻って自前で大きくしていくものなんですよね。僕らからしたら、持ち家の自宅を自分で作ってるっていう事です。という事になれば、貝殻業界でも建て付けの良い家、悪い家なんてあるんでしょうか?だってみんな素人ですもんね。海水がどんどん入って来ちゃう欠陥住宅とか嫌ですよね。逆に、モデルハウス風の貝とかあったりするんでしょうか(笑)。貝全部が優秀な子ばかりじゃないと思いますから、そんな優劣も存在してるかも知れませんよ。そんな事を想像してると、なんだか貝にも愛着が沸いてきました〜
文/ 藤田晋也