月の満ち欠けと暦の関係
日本のみならず、世界各国で古くから月の満ち欠けと暦は切っても切れない関係でした。月の満ち欠けがどのように暦に影響してきたのかを紹介します。
太陰暦は月の満ち欠けが基準
世界各国で使用されている暦は、一つではありません。大きく分けて三つの暦法があるとされ、その一つが月の満ち欠けを基準とした『太陰暦』です。
太陰暦の代表的なものが、イスラム圏で採用されている『ヒジュラ歴』になります。太陰暦では、新月から始まり満月になり欠けていくまでを1カ月としています。新月から新月までの周期は29.5日のため、1カ月は29日もしくは30日です。
12カ月を1年としており、1年は354日になります。実際の季節とのずれが大きいですが、イスラム教の創始者が採用したということから、今でも太陰暦が重要な暦の基準になっているのです。
明治初期までは太陰太陽暦を採用
日本でも明治初期までは、太陰暦の影響を受けていました。当時採用されていたのは、『太陰太陽暦』と呼ばれる暦法です。
太陰太陽暦は、太陰暦と地球が太陽の周りを1周する周期を基準とする『太陽暦』を組み合わせたものです。つまり、太陰太陽暦は月の満ち欠けと太陽の公転の両方を基準にしたものになります。
1カ月は太陰暦の29日もしくは30日を採用していますが、2~3年に1度うるう月を設け、1年を13カ月にすることで太陽暦とのずれを調整していたのです。太陰太陽暦は、農業中心だった生活や日本の気候とも相性がよかったとされています。
現在は太陽暦で前年の2月1日に決定
日本では、1873年に太陰太陽暦から『グレゴリオ暦』と呼ばれる太陽暦に変更になりました。それまで採用されていた太陰太陽暦は旧暦、太陽暦は新暦と呼ばれています。
グレゴリオ暦は、400年以上前にローマ教皇グレゴリウス13世が作り上げたもので、地球が太陽の周りを1周する公転周期を基準としており、1年は365日です。しかし、地球が太陽の周りを1周する正確な公転周期は365.2422日のため、4年に1度の1年を366日にする『うるう年』で調整しています。
日本で使用される暦は日本政府が決定しており、グレゴリオ暦を基に作成されます。毎年2月に発行される官報で、翌年のカレンダーが発表されているのです。
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月の周期に関わる用語
月の周期や形状にまつわる用語を知ると、月見や天体現象をより楽しむことができます。例えば「朔」や「望」といった月の基本的な状態だけでなく、特定のタイミングで話題になる「十三夜」「月食」「スーパームーン」などもその一例です。
それぞれの現象や用語について詳しく知ることで、夜空を眺めるひとときが一層豊かになります。次に、これらの代表的な用語や現象について詳しく解説します。
『十三夜』
『十三夜』は中秋の名月に次いで重要視される月見の日です。旧暦で9月13日にあたるこの日は「後の月(のちのつき)」とも呼ばれ、栗や豆を供える風習があります。
満月ではなく、少し欠けた月が見られるのが特徴です。また、十三夜だけを祝うのは縁起が悪いとされ、中秋の名月とセットで月見をするのが一般的とされています。
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『月食』
『月食』は、地球が太陽と月の間に入ることで、月が一部または全部隠れる天体現象です。部分月食と皆既月食があり、2024年、2025年の中秋の名月前後にも観測のチャンスがあるかもしれません。
月食は必ず満月のタイミングで起こるため、月齢カレンダーをチェックすると予測が立てやすいです。仕事帰りに夜空を見上げて、幻想的な月の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
『スーパームーン』
『スーパームーン』は、月が地球に最も近づくタイミングでの満月を指します。通常よりも直径で14%ほど大きく、30%明るく見えることから、特別な観測日として注目されています。2024年は8月20日の満月がスーパームーンに該当しました。
スーパームーンの日は、月光が夜空を明るく照らすため、都会でも観測しやすいです。写真撮影を楽しむため、カメラやスマホを準備しておくと良いでしょう。
構成/編集部