今春からスタートした、Huluのラテンアメリカ特集。ブラジルやメキシコなどの情熱的なお国柄が垣間見える、刺激的な演出が好評だ。
『エンジェルズ・シークレット』『JAILERS/ジェイラーズ』『ザ・ビジネス/コールガールのマーケティング戦略』に続いて、6月29日からは『セニョール・アヴィラ』の独占配信がスタート。
“殺し屋”を題材にした、スリル溢れるメキシコ産サスペンスだ。
会社員と殺し屋の2つの顔を持つ主人公アヴィラを演じるのは、『ベター・コール・ソウル』出演の俳優トニー・ダルトン。
2017 年には国際エミー賞(非英語米国プライムタイム番組部門)を受賞するなど、高評価を受けている。
制作は、『ザ・ビジネス/コールガールのマーケティング戦略』と同じHBO Latin America。
『ゲーム・オブ・スローンズ』など数々の人気ドラマを生み出してきたテレビ局HBOグループの会社だ。
あらすじ
主人公アヴィラ(トニー・ダルトン)は、一見ごく普通のサラリーマン。
妻の健康問題、息子のイジメ問題など悩み事は尽きないものの、若くてセクシーな女性との不倫でストレス解消をしながらなんとかやり過ごしている、ごく普通(?)の男性だ。
しかしアヴィラには、家族も知らない“裏の顔”があった。
実はアヴィラは、犯罪組織に雇われている冷酷な殺し屋(ヒットマン)だったのだ。
そして面倒なことは、なぜか同時にやってくるもの。
家庭問題で追い詰められていたアヴィラは、思いがけない出来事から、犯罪組織内で不本意な昇進を遂げてしまう。
この極めて危険なジャグリングを、アヴィラは成功させることができるのだろうか。
見どころ
会社員と家庭の二つを両立させることでさえ大変なのに、さらに“殺し屋稼業”までこなしているのがアヴィラだ。
実母に暴力を振るう義父を殺害してしまった謎の少年も加わることで、アヴィラを取り巻く環境はさらに複雑さを増していく。
殺し屋は、あくまでも上に命じられたターゲットを淡々と殺害するのがミッション。私的な感情に左右されないことが、優秀な殺し屋の条件だとされている。
しかし殺害された人の遺族は「仕事だから仕方ない」とはいかないはずだ。いかに“因果な商売”であるのかは、ストーリーが進むにつれて解き明かされていくようだ。
それにしても、家族や同僚の前では裏の顔を隠しているつもりらしいが、“普通の会社員”にしては眼光が鋭すぎるような……。
昼間はわざと冴えない感じを装っている、日本の『特命係長 只野仁』(テレビ朝日系)とは対照的だ。
『セニョール・アヴィラ』シーズン1
Huluで6月29日から独占配信スタート、以降毎週月曜日に1話ずつ追加予定
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文/吉野潤子