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4月末から5月初めにかけての大型連休を『ゴールデンウィーク』と呼びます。なじみのある言葉だとは思いますが、なぜ『ゴールデンウィーク』と名付けられたか、その由来を知っていますか。今回は、『ゴールデンウィーク』の意味や由来などをお伝えします。
ゴールデンウィークの意味と由来
意外と知らないのが、ゴールデンウィークの意味と由来ではないでしょうか。頭文字をとった『GW』と略されて使われることもあり、かなりなじみのある言葉ですが、意味を知らずにいる人も少なくありません。ゴールデンウィークの始まりはいつなのか、お伝えしましょう。
5月初旬の大型連休のこと
4月末から5月初めにかけて、1年で最も国民の祝日が多い週を『ゴールデンウィーク』と呼びます。この時期にある国民の祝日は以下の通りです。
- 昭和の日(4月29日)
- 憲法記念日(5月3日)
- みどりの日(5月4日)
- こどもの日(5月5日)
土曜日・日曜日を挟むと、大型連休となり、2019年には10連休になりました。9月の第3週あたりに、敬老の日や秋分の日があり、『シルバーウィーク』と呼ばれますが、ゴールデンウィークほどの連休にはなりません。
このゴールデンウィークを利用して、数多くの人が旅行や帰省をします。鉄道や高速道路はたびたび混雑しますが、毎年恒例のことだといえるでしょう。
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始まりは昭和23年の法律制定
ゴールデンウィークができたきっかけは、1948年(昭和23年)7月20日施行の『国民の祝日に関する法律』です。この法律によって、9日の国民の祝日が定められました。
- 元日(1月1日)
- 成人の日(1月15日)
- 春分の日(春分日)
- 天皇誕生日(4月29日)
- 憲法記念日(5月3日)
- こどもの日(5月5日)
- 秋分の日(秋分日)
- 文化の日(11月3日)
- 勤労感謝の日(11月23日)
なお、4月29日については、1948年(昭和23年)に施行されたため、昭和天皇の誕生日を『天皇誕生日』と呼んでいますが、その後『天皇誕生日』から『みどりの日』を経て『昭和の日』へと呼び名が変わっています。
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放送現場では「大型連休」を使用
一般的には4月末から5月初めの連休を『ゴールデンウィーク』と呼ぶことが多いですが、NHK(日本放送協会)や一部の民放、新聞社では、原則として『大型連休』と呼ぶようにしています。
1970年代の石油ショック以降、国民の祝日でも働かなければならない人から、ゴールデンウィークという呼び方に対する抵抗感が目立つようになりました。さらに、カタカナ語はできるだけ避けたかったり、長すぎて表記の際に困ったりするなど、放送現場の苦労もありました。そこで、『ゴールデンウィーク』ではなく『大型連休』を原則として使用しています。
とはいえ、同じ活字メディアでも、旅行案内や若者向けの情報誌などでは『ゴールデンウィーク』や頭文字をとった『GW』の表記が多く使われているようです。
語源は諸説あり
なぜ5月ごろの大型連休を『ゴールデンウィーク』と呼ぶのか、気になる人もいるかもしれません。実は、語源は諸説あるので、いくつかの説を見てみましょう。
ラジオの聴取率が高いゴールデンタイムから
大型連休の期間が最もラジオの聴取率が高かったので、『黄金週間』と呼ばれたという説があります。やはり休日にゆっくりラジオを楽しんだ人が多かったのでしょう。
そして、『黄金週間』ではインパクトに欠けることから、カタカナ語に変えた『ゴールデンウィーク』になったといわれています。
日本映画業界による造語
1951年のゴールデンウィークに上映された『自由学校』という映画があります。この映画の珍しい点は、松竹と大映という当時の二大映画製作会社が、同じ題名で別の内容の映画を製作したことでした。
公開日も同じ5月初旬の連休で、両作とも正月やお盆の時期よりもヒットしたことで、より多くの人に映画を見てもらおうという目的で、宣伝文句の造語を作ったという説があります。
当時、大映株式会社の常務であった松山英夫氏によって名付けられたようです。
金鉱探しや『東方見聞録』から
4月末から5月初めにかけてロッキー山脈の雪解け水で砂金が多く取れたので、その時期は金鉱探しに人々が流れて休日状態になってしまったことから『ゴールデンウィーク』となったという説もあります。
そのほかには、『東方見聞録』の中で、日本を『黄金の国ジパング』と紹介したマルコ・ポーロが日本を訪れたのが、5月初めだったことから名付けられたという説がありますが、いずれも俗説です。
ゴールデンウィークに似た言葉
ゴールデンウィークに似た言葉として『シルバーウィーク』を連想するかもしれません。9月にある国民の祝日を指す言葉について触れておきます。
シルバーウィークはあまり定着せず?
9月の敬老の日や秋分の日によって作られる連休を『シルバーウィーク』と呼びます。シルバーウィークという言葉も、1950年代に映画業界が作った言葉だといわれています。当時は11月3日の文化の日付近で使われていましたが、あまり定着せず、廃れてしまいました。
その後、2000年台に再び話題となり、9月の連休によく使われるようになりました。
春の連休のゴールデンウィークに対比する形で、秋の連休のシルバーウィークを認識している人もいるでしょう。しかしゴールデンウィークほど長期間の休みではなく、年によっては長期連休にならないこともあるため、浸透していないかもしれません。
構成/編集部