小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

【リーダーはつらいよ】「社長の息子としての決意がある。卸売業兼メーカーとして会社を大きくしたい」ピップ・松浦由典さん

2020.01.29

まったく違うものを合わせブランド化へ

松浦がマーケティングを担当する今の部署に異動したのは、入社して1年半後だった。大学ではマーケティングを専攻した。知識には自信がある。営業でマーケティング担当が作った商品を扱ったが、例えば肩に乗せて蒸気で暖めるパットとか、アイデアベースの商品は出る。ところがブランドとして、どういう世界観を作っていくかいう点が、まったく欠如していることに気づいた。

「卸業でスタートした会社だからだろう。活発な意見交換をして、アイデアを出すようなクリエイティブな雰囲気が足りない」とは、現社長の父親から聞いていた。だが、将来的に会社の舵取りを志す社長の息子としては、卸業とともに、メーカーとして会社を大きくしたいという夢がある。

マーケティングを担ったからには、結果を出すと松浦は意気込んだが試行錯誤が続いた。『ピップエレキバン』と『スリムウォーク』、そして04年発売の肩こりに効く『マグネループ』以降、新ブランドが出ていない。

「新しいブランドがほしい、そりゃそうだよなぁ」マーケティングの部署の課長が松浦の話を聞いてくれた。

「オリンピックもあります。健康寿命を延ばすことへの関心が年々高まっている。スポーツ人口も伸びている。スポーツでブランドを作るべきですよ」

「うちはヘルスケアカンパニーだ。スポーツを楽しんで、健康になりましょうというのはいいね」

ピップのキネシオロジーテープという製品は、テーピングテープの分野ではドラッグストアでのシェアがNo.1だ。一方で、2011年に発売された『ProFits』(プロ・フィッツ)という、主に運動の際に使用するサポーターも製造・販売する。

「せっかくスポーツする人向けの商品があるのに、なんでバラバラに売っているんですか。ここをまず括って、“ProFits”というブランドで統合しましよう」

松浦由典は宣言するように声をあげたが、「ウム…」と課長は難しい顔をした。キネシオロジーテープのパッケージは真っ黄色、片や『ProFits』のパーケージは黒と銀。まったく違うものを、どのようにしてブランド統合していくのか。

さて、社長の息子のブランド作りの手腕は、明日公開の後編で。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年3月15日(金) 発売

DIME最新号はデザイン一新!大特集は「東京ディズニーリゾート&USJテーマパークの裏側」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。