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【リーダーはつらいよ】「今の僕を見てこのポジションに就きたいと思う部下は少ないのでは」LIXIL・中山佳之さん

2019.10.02

「ここをなくそう」「あそこをなくそう」

 昨年8月に発売した「LWスライディング」は、サッシの上下左右のフレームが室内から見えない。開けた状態でも閉めた状態でも、窓からの景色を遮るものがまったくない。一枚のガラス戸のようで、横にスライドさせて開閉する新発想の窓である。

 主に開発を担当したのは、グループリーダーの立場にある部下と若手の2人だった。インパクトのある商品が欲しかったので、建築家や建築関係者の要望をヒヤリングし、開発に2年ほど費やした。

 アルミと樹脂のハイブリット構造だが、サッシのフレームの露出はカッコが悪い。フレームインの構造にしよう。ハンドルも見えないほうがいい。「ここをなくそう」「あそこをなくそう」と、試行錯誤を重ね、一枚扉のサッシが試作された。

「窓ガラス開閉する時、外の壁側に引き込むレールがあるよね。そのレールに格子状の『アウターセット』を取り付けたら、住宅の外観をきれいに見せられる。格子状をスライドさせたら、日差しを緩やかに遮れるし、外からの視線を遮る機能にもなるね」それは、部下のグループリーダーのアイデアだった。「それはいい!」と、建築家や工務店の関係者からも好評だった。

同期の部下に「各メンバーのことを見てくれよ」

 実はグループリーダーと中山は同期だ。同期で上下の関係になった。やりづらいかもしれないと中山は当初、同期の彼を気遣った。室長に就いた当初はグループミーティングもすべて中山が仕切った。するとメンバーは直接、仕事上のことを自分に報告する。

 これはダメだな……と、彼は感じた。定期的に部下と一対一で話す機会を設けているが、「何に今一番困っている?」と中山の問いに、同期の部下の「うーん、存在感がないことかなぁ」という言葉も引っかかっていた。

「中山が言うから、やろうぜ」という若い部下への言い方も気になると、酒の席で中山は同期の彼に伝えた。

 もっと主体的に関わらないと、仕事もうまく進まないだろうと中山は思った。そこで、「各メンバーのことを見てくれよ」と、彼は同期に提案をした。期限までにこの書類を提出する等、メンバーの実務のマネージメントをグループリーダーの同期に任せたのだ。中山は外側から、部署が取り組んでいる仕事のテーマの進捗状態や、マネージメントがうまくいっているかを見ている。

 電話に出る時の声はいささか暗いが、同期の部下は我慢強く役割を担ってくれている。

「一時は2.7Lの焼酎のボトルが一週間でなくなった」という中山佳之だが、彼の仕事の取り組みからは、どうすれば部下が伸びるか、人知れず考えている姿が見て取れる。

 部下を伸ばす彼流のやり方は後編で。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

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