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20代で「ライン」に乗る人、乗れない人の根本的な違い

2019.09.17

■連載/あるあるビジネス処方箋

 前回、中堅、大企業(特に金融、商社、鉄鋼、自動車、家電などのメーカー)では、ラインに乗る社員を「1次セレクト」「2次セレクト」でふるいにかけていることを取り上げた。今回は、中堅、大企業の特に「1次セレクト」について私の取材を通じて得た考えを紹介しよう。

【参考】https://dime.jp/genre/769285/

「1次セレクト」は同期生が30人いたとすると、20代後半の時点で、10∼15人を主任や課長補佐などにすることである。そのタイミングが、残りの同期生よりも1∼3年程早いことに大きな特徴がある。通常は、入社以降の5∼7年間の勤務態度や仕事への姿勢、実績や成果、今後の伸びしろ(潜在的な可能性)、上司や周囲の評価や評判を総合的にみて判断する。特に上司の評価が大きなウェートを占めるはずだ。

 結論からいえば、1次セレクトで選別されないと、その後の会社員人生は明るくはないのではないかと思う。私の取材を通じての観察では、本部長、執行役員、役員、関連会社の役員になる可能性は低いはずだ。いわゆる、「幹部候補」とは言い難い人材とみなされるのではないだろうか。

 セレクトに漏れた場合は身の振り方を考えるのも、1つの生き方でないかと私は思う。自分の力に揺るぎない自信があるならば、例えば、成長著しいベンチャー企業や外資系企業に転職するのもいいのかもしれない。

 中堅、大企業の場合は、中小企業やベンチャー企業(特に創業10年以内)よりは、依然として雇用は長期安定傾向にある。ある意味で魅力だが、20代後半でセレクトに漏れたことはその会社ではもう、経営幹部になる可能性が低いことを意味する。辞めることを奨励はしないが、「ここに残っていて、いいのだろうか」と1度は振り返ってもいい。だからといって、中小企業に転職するのは絶対にお勧めできない。あまりのカルチャーショックで、早いうちに辞めるのが想像できるからだ。

 では、中堅、大企業で「1次セレクト」を楽々と突破し、同期生の中で上位1割以内(トップエリート)に入る社員はどのようなタイプなのだろうか。私の観察では、次の点において他の同期生に比べて際立つものがある。

•処理能力が抜群に高い。時間内で仕事を手際よく処理し、レベルの高い結果を出すことができる。例えば、企画会議で毎回、一定水準以上の提案をして、自分の考えをわかりやすく伝え、上司や他の社員の指摘を素直に聞き入れることができる。あるいは、関係書類を時間内に正確に作成する。上司や取引先、クライアントから書類について尋ねられたら、要領をおさえ、的確に答える。

 基礎学力が高い人がこのセレクトで比較的優位であるのは、処理能力のベースとなる「話す力・聞く力」「書く力」「読む力」が一般的には高いからだと私は思う。

•身の程を知っている。20代で多少の実績を残したとしても、やはり、たいしたレベルではない。そのことを正しく理解している。謙虚に自らを振り返り、上司や先輩社員の指摘を受け入れることができるから、早いうちに軌道修正する。だから、仕事力が伸びていく。「心の奥行きが深く、思考が柔軟」ともいえる。自分を買いかぶっている20代の社員は、その意味で心が極端に狭い。

•同世代(20代)の社員があまり取り組んでおらず、かつ、会社や所属部署が高く評価する領域や分野で一定の実績を残し、「エッジのきいた逸材」(とんがっていて、個性的な人材)になる。この場合の「一定の実績」とは、決して大きなものではない。あくまで同世代と比較し、目立つレベルで構わない。

これらすべてが、「要件」ともいえる。1つでも欠けていると、ハイレベルの競争となる大企業では、上位1割の人材になるのは難しいのかもしれない。

なお、私の観察では、中小企業の20代の社員のほとんどが3要件いずれも不得手としているが、特に2に苦手意識があるようだ。だからなのか、30代以降で仕事力が伸び悩んでいるように見える。読者諸氏は、いかがだろうか。

文/吉田典史

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