
最近、よく耳にするようになった「MVNO」。
「なんとなく」は知っているけど、「きちんと理解している」人は少ないのではないでしょうか? そこで今回はMVNOについて、その概要からメリットまでを紹介していきます。
【参照】【スマホ会議】SIMフリー、MVNOに未来はあるか?
MVNOとは何? わかりやすく解説
それではさっそくMVNOについて解説していきます! またMVNOを紹介する上で欠かせない「MNO」についても紹介します。
MVNOの読み方は?
MVNOとは、Mobile Virtual Network Operatorの略で、日本語訳すると「仮想移動体通信事業者」のことです。これに対し、ドコモやKDDIといった通称“キャリア”と呼ばれるのが、MNO(Mobile Network Operator)=移動体通信事業者という通信業者です。
MVNOとMNOの違いと関係は?
MVNOについて説明する前に、まずはMNOについて知っておかなければなりません。
私たちがスマホなどのモバイルデバイスで通話や通信を行う際は、「電波」そして「回線」を利用します。この回線を私たちに提供しているのが、先述したとおりMNO(Mobile Network Operator)といいます。日本においてMNOとは、「通信キャリア」と呼ばれ、ドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクの3社がこれに該当します(2019年8月時点)。キャリアは自社の回線を持っており、私たちユーザーに対して直接、通信サービスを提供します。
一方でMVNOはMNOと同じく私たちユーザーに対して通信サービスを提供する「通信業者」ですが、MNOとは異なり自社の回線を持っていません。ですからMVNOはMNOから回線を借りて、通信サービスをユーザーに提供しているのです。
つまりMVNOとMNOの違いは「自社の回線(または設備)を持っているか否か」で、その関係は「回線を貸し借りする関係」なのです。
【参照】MVNOっていくつあるの?日本の携帯電話会社の一覧、シェア、歴史を調べてみた
MVNOの通信速度比較!
現在、日本にあるMVNOは100社を優に超えています。@DIMEではその中でも主要の5社を比較しています。
【参照】MVNO主要5社のSIMカード徹底比較【通信速度編】
総務省によるMVNOの定義
総務省によると、MVNOとは「MNOの提供する移動通信サービスを利用して、又はMNOと接続して、移動通信サービスを提供する電気通信事業者であって、当該移動通信サービスに係る無線局(基地局)を自ら開設しておらず、かつ、運用をしていない者」とあります。
【参照】MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン(総務省)
キャリア別MVNOの説明文
各MNO(キャリア)はそれぞれ自社の回線の一部をMVNOに貸し出しています。以下はドコモ・KDDI(au)のMVNOに関する情報です。
MVNOに関する情報【ドコモ編】
以下はドコモによるMVNOに関する情報です。
【参照】MVNOに関する情報
MVNOとは【au編】
以下はKDDI(au)によるMVNOに関する情報です。
【参照】MVNOに関する情報
MVNOのメリット/デメリットは?
ここまではMVNOの概要などを説明してきました。ここからは実際に私たちがMVNOの提供するサービスを利用した場合、どのようなメリットまたはデメリットがあるのかを紹介していきます。
MVNOのメリットは「料金」!
MVNOの魅力はなんといってもその料金です! 同じ通信サービスを提供するMNOと比較しても、月々かかる通信費をお安くできる可能性が高い点が最大のメリットでしょう。
【参照】格安スマホなら毎月5500円ダウン!?料金の見直し項目を利用明細書で辛口チェック【PR】
MVNOのデメリットは「速度」!
MVNOのデメリットは通信速度といわれています。というのもMNOの回線の一部を借りてユーザーに提供しているわけですから、どうしても混雑時などは通信速度が遅くなってしまう傾向があるようです。例えるならばMNOが3車線の道路をユーザー(自動車)に提供しているのに対し、MVNOはMNOに借りている1車線しかユーザー(自動車)に提供できないため、混雑すると通信速度に影響が出てしまうということです。
【参照】MVNO利用者の6割が「データ使用容量は契約している容量に十分収まる」
MVNOはどういう人に向いている?
MVNOの特徴は何といっても「料金」です。しかし上述のとおり、通信速度はMNOの提供する通信速度よりも遅い傾向があります。ですから、Wi-Fi環境下でない場所で動画やゲームなど、大量の通信を必要とする人によって、MVNOは比較的向いているとはいえません。しかし必要最低限の通信速度があれば良い。また月々の料金をお安く抑えたい。という人にとってMVNOはかなり向いているかもしれません。
MVNOからMNOとなる「楽天モバイル」とは?
2014年からMVNOに参入していた楽天モバイルは、2018年に1.7GHz帯周波数で特定基地局開設計画の認定を受け、自社の回線を有するMNO……「第四のキャリア」となりました。MNOとしてのサービスの開始は2019年10月を見込んでいます。
【参照】第4のキャリア楽天が挑む世界初の試みと乗り越えなければならない課題
※データは2019年8月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品・サービスのご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/高沢タケル