目次
携帯電話(スマホ)の回線選びで、「MVNO」という言葉をよく目にしませんか?
「なんとなく」は知っているけど、「きちんと理解している」人は少ない単語かもしれません。
そこで今回はMVNOについて、その概要からメリット・デメリット、ドコモやauなど通信キャリアとの違いを紹介します。
MVNOとは何? わかりやすく解説
それではさっそくMVNOについて解説していきます! またMVNOを紹介する上で欠かせない「MNO」(通信キャリア)についても紹介します。
MVNOの読み方は?
MVNOは「エムブイエヌオー」と読みます。Mobile Virtual Network Operatorの略で、日本語訳すると「仮想移動体通信事業者」のことです。
これに対し、ドコモやKDDIといった通称「通信キャリア」と呼ばれるのが、MNO(Mobile Network Operator)=「移動体通信事業者」という通信業者です。
■回線を借りる「MVNO」と通信キャリア「MNO」の違いと関係
MVNOについて説明する前に、まずはMNOについて知っておかなければなりません。
私たちがスマホなどのモバイルデバイスで通話や通信を行う際は、「電波」そして「回線」を利用します。この回線を私たちに提供しているのが、先述したとおりMNO(Mobile Network Operator)といいます。
日本においてMNOとは、「通信キャリア」と呼ばれ、ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイルの4社がこれに該当します(2024年7月時点)。
通信キャリアは自社の回線を持っており、私たちユーザーに対して直接、通信サービスを提供します。
一方でMVNOはMNOと同じく私たちユーザーに対して通信サービスを提供する「通信業者」ですが、MNOとは異なり自社の回線を持っていません。
ですからMVNOはMNOから回線を借りて、通信サービスをユーザーに提供しているのです。
つまりMVNOとMNOの違いは「自社の回線(または設備)を持っているか否か」で、その関係は「回線を貸し借りする関係」なのです。
■MVNOの通信速度は?
現在、日本にあるMVNOは1000社を優に超え、2024年4月時点で1890社となっています。
前述のように、MVNOはMNOから回線を借りるため、どうしても回線速度が遅くなる傾向は否めません。
しかし、そこを逆手に取り、例えばmineoは「パケット放題 Plus」といい、最大通信速度が1.5Mbpsですが、使い放題(3日間で10GB以上の利用では速度制限あり)というサービスを行うなど、大手通信キャリアとは違う独自のサービス・料金設定でユーザーを獲得する会社も多くあります。
■総務省によるMVNOの定義
総務省によると、MVNOとは「MNOの提供する移動通信サービスを利用して、又はMNOと接続して、移動通信サービスを提供する電気通信事業者であって、当該移動通信サービスに係る無線局(基地局)を自ら開設しておらず、かつ、運用をしていない者」とあります。
【参照】MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン(総務省)
■キャリア別MVNOの説明文
各MNO(通信キャリア)はそれぞれ自社の回線の一部をMVNOに貸し出しています。以下はドコモ・KDDI(au)のMVNOに関する情報です。
MVNOに関する情報【ドコモ編】
以下はドコモによるMVNOに関する情報です。
【参照】MVNOに関する情報
MVNOとは【au編】
以下はKDDI(au)によるMVNOに関する情報です。
【参照】MVNOに関する情報
MVNOのメリット・デメリットは?
ここまではMVNOの概要などを説明してきました。ここからは実際に私たちがMVNOの提供するサービスを利用した場合、どのようなメリットまたはデメリットがあるのかをご紹介します。
■MVNOのメリットは「料金」
MVNOの魅力はなんといってもその料金です! 同じ通信サービスを提供するMNOと比較しても、月々かかる通信費をお安くできる可能性が高い点が最大のメリットでしょう。
■MVNOのデメリットは「携帯回線の安定度」と「速度」
MVNOのデメリットは、携帯回線の安定度と通信速度といわれています。というのもMNOの回線の一部を借りてユーザーに提供しているわけですから、どうしても混雑時などは接続の安定性が低下したり、通信速度が遅くなってしまう傾向があります。
例えるならばMNOが3車線の道路をユーザー(自動車)に提供しているのに対し、MVNOはMNOに借りている1車線しかユーザー(自動車)に提供できないため、混雑すると通信速度に影響が出てしまうというイメージです。
■MVNOはどういう人に向いている?
MVNOの特徴は何といっても「料金」です。しかし上述のとおり、通信速度はMNOの提供する通信速度よりも遅い傾向があります。ですから、Wi-Fi環境下でない場所で動画やゲームなど、大量の通信を必要とする人によって、MVNOは比較的向いているとはいえません。
しかし必要最低限の通信速度があれば良い。また月々の料金をお安く抑えたい。という人にとってMVNOは有効です。
MVNOからMNOになった「楽天モバイル」
2014年からMVNOに参入していた楽天モバイルは、2018年に総務省より、4G(1.7GHz帯)周波数の割り当てを受け、自社の回線を有するMNO……「第四の通信キャリア」となりました。
MNOとしてのサービスは2019年10月から開始されました。
【参考】楽天モバイルの歩み
こちらもチェック!
MVNOっていくつあるの?日本の携帯電話会社の一覧、シェア、歴史を調べてみた
MVNO利用者の6割が「データ使用容量は契約している容量に十分収まる」
※データは2024年7月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品・サービスのご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/高沢タケル