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知ってる?日本企業が続々と進出するインドの注目都市「グルガオン」「ノイダ」

2019.08.21

デリーの東に広がるノイダは、ライフスタイル重視型の衛星都市

 もう一つの都市は、デリーの東端を流れるヤムナ川越しに位置し、デリー中心から約20kmにあるノイダ。開発が計画的に行われたため区画整理が行き届いており、デリーとは高速道路や電車での往来がスムースだ。

ホテルからノイダを臨む(写真:Edmund Gall

 ノイダではオフィスや高層住宅の開発やインフラ整備がされており、教育施設や巨大なショッピングモールもあり生活には便利だ。リサーチの仕事で高層マンションに住む複数の家族を訪問した際には、東京の湾岸にある豊洲のマンション群が思い浮かんだ。というのも、その高層マンションでの暮らしは国際都市にある同様の高層マンションでの生活と変わらない様子だったからだ。

 別エリアの一軒家が並ぶ高級住宅街を訪問したこともある。お宅には10名以上が座れるホームシアターが備わっており、映画好きな富裕層インド人ならではと腑に落ちた。

 このような生活地区だけでなく、ビジネスエリアや工場地区の開発も行われ、外資系企業はもちろん、日系企業にも人気が高い。

 ノイダとそのすぐ東隣のグレーターノイダに、NTTコミュニケーション、デンソー、住友電気など日系企業95社以上が拠点を置いている(前出のインド進出日系企業リストより)。企業オフィスだけでなく、自社内でインド最大の二輪車工場を持つホンダをはじめとして生産拠点を持つ場合もあれば、研究所を持つ日本企業もある。無印良品のように首都近郊ではノイダに初めて出店した例もある。

 そしてここではインド国内企業も、本社や支社を構えている。一例として、映画、テレビ局、新聞社などプロダクション・メディア・エンタテイメント関連企業の一大集積地区『フィルムシティ』が挙げられる。世界一のYouTubeチャネル登録数を持つレコードレーベルの『ティーシリーズ』もここに本社を持つ。ここで働く人材育成のために、プロダクション技術者や映像の専門家を育てる教育機関も設立されて、ノイダのみならずインド全体のクリエイティブ産業の発展一端を担っている。

 さらに注目したいのが、コンベンションセンターで日常的にこのエリアに人を呼び込んでいること。インド最大の『インドエクスポセンター&マート』には、世界中から1日平均で約15万人が訪れる。

 また、エンタテイメントも事欠かないのがノイダの特徴だ。例えば、国民的スポーツのクリケット用の巨大スタジアム、室内のスキー場、またショッピングモールや飲食店を併設する総合アミューズメントパークが複数存在する。

 ノイダは街づくりに際して、地元インド人の家族も含めたライフスタイルを重視している。外国人である私たちにとって、インド都市部の発展した暮らしぶりを観察し体感もできるわかりやすい場所だといえる。

インドの六本木ヒルズ? 78階建て高層タワーを配した大型開発

 南デリーから川を挟んですぐ東に面したエリアで、デリーの一部といってもいいほど交通の便がいいセクター94と名付けられた区画がある。ここでは大規模開発『スーパーノヴァ』が進行中で、昨年には44階建ての2つの住宅等が完成している。2021年には首都圏で最も高い78階建てタワーが完成予定だ。

 この開発エリアには5棟の高層ビルが建てられ、高級ショッピングセンター、ホテル、オフィス、公園などが配される。78階建てのタワー内の住戸はすでに販売が開始され、ウェブサイトを見るとインド国内だけでなく米国やクウェートにも販売拠点があるのがわかる。この高層タワーが完成した暁には、東京の複合開発エリアの六本木ヒルズをも想起させる、インド首都圏の新ランドマークの登場となるに違いない。

インドの不動産開発事業社、スーパーテック社による「スーパーノヴァ」の完成予想図

 デリー首都圏に25年間住み、新聞記者を経て今はビジネス誌の編集長として働き続けるレヌ・マルホトラさんは「デリー首都圏は拡大を続けて、年々そのスピードが速くなっている。そして私たちの生活も変わり、何でも欲しいものが手に入るのが大都市の代名詞になってきた」と言う。そして首都圏は「にぎわい、拡大を続ける」が、「人と人のつながりの希薄さや環境汚染に象徴されるように、今まで手にしていたものは失い始めているかも知れない」と、大都市が共通して通る道は、インドも例外ではないようだ。

 現在進行形のインドをのぞいてみたい方は、『グルガオン』と『ノイダ』へ! 最先端のインドを身近に感じられますように。

 この2都市に関連する首都デリーについての筆者の記事は、こちらを参照されたい。

取材・文・写真/望月奈津子
日欧米のグローバル企業でマーケティングや広報に一貫して携わる中、10年間勤めたP&Gのインド人上司の影響で、日印の共創をミッションとするムーンリンク社を設立。インドを30回以上訪問して築いた信頼やビジネスネットワークと現地家庭の訪問や滞在での洞察を活かし、リサーチ、視察、研修等で企業をサポートしている。

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