小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

看護師6年目の本音「患者さんの話を聞き、寄り添うことが何よりも大切です」聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院・猪子萌さん

2019.06.19

あなたの知らない若手社員のホンネ~/聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 猪子萌(27才、看護師6年目)~

前編はこちら

様々な現場で働く若手社員を紹介しているこの企画、今回紹介するのは看護師である。ほとんどの人は一生のうち何回か看護師にお世話になるが、医療現場で医師とは異なるその仕事とは?中間管理職も若手社員も“白衣の天使”の仕事ぶりは参考になるに違いない。

シリーズ第56回、神奈川県瀬谷市にある総合病院、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 看護師 猪子萌さん(27・看護師6年目)。担当は病床数52床の消化器外科。入院する人の半数はガン患者で、手術を行う患者がほとんどである。
つらい、辞めたいとか嫌になるとか、脳裏を過ぎったことは一度もないという彼女だが、時にはイラっとすることもあった。

「患者さんの方がつらいんだよ」

 16時30分から翌朝9時までの夜勤が、月に6回ほどあります。夜勤は多い時で患者さんを10名ほど受け持つ。楽な勤務ではありません。業務にも慣れた2年目のある日、夜勤の時にナースコールを何回も押す患者さんがいて。ただでさえ忙しいのに、私は嫌になった。

「私は身体が一つしかないんです。他の患者さんもいるんで、ちょっと待っていてくれませんか!」と、少し強い口調で言ってしまった。その70代の男性の患者さんは寝たきりで誰も面会に来なく、寂しかったんでしょう。

「あなたは勤務が終われば、家に帰って好きなことができるでしょう。でも入院患者さんはずっと同じ状態でいるんですよ。帰りたくても帰れない。患者さんの方がつらいんだよ。それを考えてみて」そう主任の看護師に諭されまして。確かにそうだと。患者さんは管を身体に付け点滴につながれて。夜勤の時の自分よりも、ずっとつらい思いをしている。

 医師は病気を治すことに集中する。看護師は患者さんの話を聞き寄り添うことが、何より大切だと、初心に帰る出来事でした。

 つらい顔を見ていますから、患者さんの笑顔は本当に嬉しいです。「もえちゃん、退院が決まったのよ」「ほんとですか!あんなに痛い中で廊下を歩いたり、よくなることに一生懸命だっからですねー」私も笑顔になります。退院して外来に来院した時、「もえちゃん、元気?」と、わざわざ会いに来てくれる患者さんもいます。

 認知症でガンを患った女性の患者さんは、部屋の中にずっといるのが、見るからに辛そうでした。土日は検査や手術がないので、余裕があります。「暖かくして、桜を見に行きましょう」今年はその患者さんと、院内の満開の桜の下でお花見をしました。桜を見上げていたおばあちゃんは、私に聞かせようと思ったのでしょうか。「さくら〜さくら〜」って、歌を歌ってくれた。

 私の背中を押してくれた患者さんもいました。私は救急センターの看護師に憧れていた。でも、緊急時に命を救う医療現場に立つ自信がなくて。看護師として5年、このまま消化器外科でもいいかなと思っていたんです。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。