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【リーダーはつらいよ】「目標達成のためにしんどい思いをしている営業マンをアシストしたい」アサヒビール・高田豊さん

2019.06.05

「オレは性善説で考えたい」

 だが、彼女は無理やり何かを通すようなタイプではない。多分、部下はそういう仕事をしてこなかったに違いない。人に少々強く響いても、自分の考えを積極的に口に出したり実行できたら、さらにこの部下は伸びると高田は感じている。その点、彼はけっこう本部長に意見に口を挟むこともあるという。

 例えば、これも働き方改革に関してのことだが、「会社に行かずに取引先に直行します」とか「出社時間を遅らせます」とか、これまでの広域営業本部の決まりでは、スーパーフレックスは前日までの申請だった。基本的に朝9時に全員出社し得意先に向かった。だが「当日の朝に、『今日はスーパーフレックスにして、得意先に直行します』と連絡してきてもOKにしよやないか」と、本部長が提案した。確かにその方が効率的な時もある。しかし、高田は渋い顔で本部長に口を挟んだ。

「でも部長、そうするとモラル低下につながりませんか?」当たり前だが、酒造会社に就職する人間は酒好きが多い。前夜、つい飲み過ぎて「あーしんどい、今日は10時出社だとやっちゃう人がいるかもしれません」

 彼は決して、自分のことを言っているのではない。高田のそんな意見に本部長は「オレは性善説で考えたい」と。「部長がそういうのなら、いいですけど」

 スーパーフレックスは当日申請でもOKとルールは改まった。つい先日のことである。「お前のいいところは、上に媚びないことだよな」、部下の前で本部長からそんな声を掛けられた。彼としては内心、嬉しかった。

 業務効率化のためのヒアリングを行ったもう一人の部下は、入社してから十数年、何かを取りまとめたり、自分の考えで何かを進めたりした体験がなかった。この先も与えられた仕事をこなし続けるのか。それとも自分が中心的な立場になり、仕事を進めていきたいのか。できれば後者になってもらえたら。高田は彼流のやり方で、部下にその自覚を促すように接していく。

 後編では部下との接し方を通して、高田がサラリーマンとして、中間管理職として何を一番大切にしているかをあぶり出していく。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

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