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なぜ、パワハラをする人は自分との折り合いをつけることができないのか?

2019.05.16

■連載/あるあるビジネス処方箋

前回の記事「パワハラをする人は極端に〝自己愛〟が強い傾向あり」で、部下や取引先などにパワハラをする人は「自己愛」が相当に強い傾向があることを書いた。この場合の「自己愛」とは、常に自分中心の発想で、相手を決して認めようとしないことである。絶対に自らの非を認めないことなども意味する。誰もがその傾向があるのだろうが、極端なほどに強いのだ。パワハラを繰り返すのは、粘着質なこの性格や気質によるものではないか、という私なりの仮説を紹介した。私が取材を通じて30年近く観察をしてきて、確信に近い思いになっていることでもある。

前回は、その性格や気質として次のものを挙げた。「1、自信がない」「2、動揺に耐えられない」「3、攻撃しかできない」「4、ゲーム感覚で「攻撃」を繰り返す」

今回は、これらに続くものとして下記を挙げたい。

5、支配の発想しかない
6、罪悪感や道徳を持ち出す
7、自意識過剰

それぞれを私の観察で具体的に説明する。

5、支配の発想しかない

人と仕事をするときには共に栄えるという「共栄」の思想が必要になる。ところが、この発想や意識に著しく乏しい。常に自分を優位な立場にして、相手を劣るようにする。その傾向は、ほかの社員と比べると異様に目立つ。自分が相手よりも勝っていないと、冷静ではいられなくなるようだ。議論をしようものならば、勝つまで続けたり、ひとたび打ち負かされると、逆恨みをして報復する可能性が高い。この人たちを読み解くキーワードは「優位」であり、「勝」だ。一方で、いかなる場合でも、「劣る」や「負」は受けいれがたいのだ。

6、罪悪感や道徳に持ち出す

優位に立ち、他人を常に支配していたいがゆえに、特に自分の意見が通らないような場合は、道徳に訴え、罪悪感を刺激することを言う傾向がある。たとえば、「あなたには成長してほしいから、厳しく言っている。だから、きちんと聞かなきゃいけない」などと言い、相手が自らを振り返るように仕向ける。そして、叱責を繰り返す。なぜか、手取り足取り、教えようとしない。この人たちは時には詭弁を持ち出し、絶対に自分の言い分の正当化を図る。

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