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発達障害だった発案者の人生を変えた!自分をコントロールするノート術「バレットジャーナル」とは?

2019.05.08

自分の状態を把握し、WHYを発する習慣ができる

前編はこちら

発案者のライダー・キャロル氏は、アメリカ在住のデジタルプロダクト・デザイナー。現在はニューヨークのデザイン会社で、アプリやゲームなどのデジタルコンテンツを製作している。

キャロル氏が自分のノート術を「バレットジャーナル」と名づけて世間に公表したのは2013年。各種メディアで取り上げられ、またたくうちに広まった。バレットジャーナルはどのように生まれたのか。どのように活用しているのか。来日中のキャロル氏にインタビューした。

バレットジャーナルの発案者、ライダー・キャロル氏。デジタルプロダクト・デザイナー。手にしている公式本は29か国で刊行されている。

キャロル氏は小学校に入って間もなくADD(注意欠陥障害)と診断された。1980年代、まだインターネットはなく、発達障害についての情報は不足し、解決策もわからない。やるべきことを忘れないよう、自分で整理するほかない。子どもだったキャロル氏が当時自由に使える唯一のツールがノートとペンだ。タスク、To Do List、メモ書き、アイデアスケッチ……たくさん書いて、整理しておいた。しかしそれらはすべてバラバラにあり、必要な時に出てこなかった……。

——– バレットジャーナルのアイデアはなぜ、どのように生まれたのでしょうか。

ライダー・キャロル氏(以下RC) いろいろな情報をいろいろなノートに書いている人は多いと思います。問題は、ある情報を書き留めたいとき、どこに書き留めようかと考えなければならないこと。どこに書き留めていいか考えてしまう人は、後で見直したい時、それがどこに書いてあるのかわからないという問題に突き当たります。私がまさにそうでした。

大学生のとき、1年ごとに引っ越しをしていたので、そのたびに大量のノートを運ぶのが大変でした。そこで数学のノート、英語のノート、アイデアのノート……と、テーマごとに分かれていたのを数冊にまとめました。大学を卒業してプロダクト・デザイナーになったとき、それを思い切って「仕事用」と「パーソナル用」の2冊にまとめました。ところがすぐに不便に気づいた。会社にいるときにパーソナルのノートが見られない。逆に家にいるとき仕事用のメモができない。だから1冊にまとめました。これがバレットジャーナルの原型です。

——–キャロルさんにとってバレットジャーナルの効用は何ですか?

RC ノートに向かっている時、自分を日々の生活から切り離して、今自分は何をしているんだろうと振り返る時間が持てるようになりました。そのプロセスのおかげで、やるべきことの優先順位を確認することができます。

子どものとき、ADDがまだ理解できなかった頃は、まるで降ってくる雨を掴むように、次から次へと注意がいろんな方向に向いて、常にいろんなものに圧倒されていました。今、振り返る時間を持つことで、“そもそも自分はどうして雨の中に立っているんだろうか?”と自問できるようになった。どんなときもいちばん大切なことは、自分がなぜそれをするのかのWHYを見つめることです。

バレットジャーナルの最大の効能は、書くことで自分を振り返り、自問する習慣をつけられることです。私は1日2回、朝と夜、振り返りの時間を持つことを勧めています。特に夜の振り返りに、「なぜこれが重要なのか」「なぜ自分はこれをしているのか」「なぜこのタスクの優先順位が高いのか」を自問する時間を持つこと。こうした“ささやかなWHY”を積み重ねることで、自分の状態を把握し、自分のやるべき優先順位が見えてくるのです。

自分にコントロールできないことを知ることが、人生の手綱を引く第一歩

——–著書に「他人のことは変えられないが、自分のことはコントロールできる」と書かれています。バレットジャーナルで人生がコントロールできるようになるのですか?

RC 人生をコントロールするためには、はじめに「自分でコントロールできないものは何か」を見定める必要があります。土台、自分でコントロールできないことに対してどんなに一生懸命心配したところで、コントロールできませんからね。また、自分の感情はコントロールできると思っている人がいますが、そんなこともありません。では自分でコントロールできるものは何か? 「起きていることに対する自分の反応」です。

たとえばオフィスで同僚と意見が合わなくて、お互い怒ったりイライラしたりすることがあるでしょう。声を荒げたり、周囲の人に当たったり。ここでノートが助けてくれます。トラブルがあったら、すぐにそれに反応するのではなく、なぜイライラするのか、なぜそう感じるのか、ノートに書き出す。すると今までとは違ったあり方が見えてくる。怒りも収まってくる。相手にも一理あることがわかってくる。そして次にどうするべきか、見えてくる。
意見の違う同僚をコントロールすることはできません。同僚が自分のことをどう思うのかもコントールできません。でも、自分が次に何をしたらいいかは確実にコントロールできるようになります。これが「自分のことはコントロールできる」と言う意味です。

——–職場でのアンガーマネジメントにも効力がありますね。

怒りやイライラはなるべく早く排除した方がいいですからね。デイリーログに「起きたこと」「それに対してだれがどうしたか」「それに対して自分がどう感じたか」などを簡単にラピッドロギングする。なるべくすぐに書いたほうがいい。そうすれば怒りでふくれていた頭が破裂せずに済むし、そのあとの時間をイライラせずに使えますから。パパッと書いたものは「振り返りの時間」に読み返し、また自問します。小さなWHYを5回繰り返していくと頭が整理されていきます。

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