日本の携帯電話会社の歴史
日本の大手携帯電話会社は、NTTドコモ、KDDI・沖縄セルラー電話、ソフトバンクです。この3キャリアは「MNO(移動体通信業者)」といって、総務省が認可した通信の回線網を持っており、直接ユーザーに提供できる業者です。
この他にもLINEモバイル、オプテージ、U-NEXT、楽天モバイルなどの通信業者がありますが、これら企業は上記MNOから通信回線を借りてユーザーに提供するため、「MVNO(仮想移動体通信事業者)」と呼ばれています。
しかし2018年4月に、総務省がそれまでMVNOだった楽天モバイルに1.7GHz帯を割り当てたことによって、2019年10からは、日本のMNOは楽天グループを含めた4社となります。
では、日本のMNOが4社になるまでにはどのような変遷があったのでしょうか。
ドコモ、KDDI、Softbank、楽天モバイルの歴史
1952年.それまで逓信省、電気通信省で行われてきた電信電話事業は、NTTドコモの前身となる日本電信電話公社へ引き継がれました。その後30年間、日本国内の電話事業を一手に引き受けていた日本電信電話公社ですが、1985年に転機が訪れます。通信自由化です。
これによって、今まで国内電話事業を独占していた日本電信電話公社の独占は終わり、日本電信電話公社は民営化しました。NTTの誕生です。
そして1988年、KDDIの前身となるKDDや日本移動通信(IDO)、DDIセルラーグループ各社が国内携帯電話事業へ新規参入しました
1992年には、NTTがMNO(移動体通信事業)をNTT移動通信網各社(後のNTTドコモ)へ譲ります。
2000年にはKDDとIDOとDDIが合併したことによりKDDIが誕生。KDDIはツーカー、パワードコムなどと合併し、こんにちのKDDIグループとなります。
ソフトバンクの前身となる日本テレコムはデジタルホンを設立。日産系のデジタルツーカーとの合併などによってJ-フォンとなりますが、筆頭株主の日本テレコムが英国Vodafone傘下となったことでJ-フォンもボーダフォンに。その後、2006年にソフトバンクがボーダフォンを買収し、ソフトバンクモバイル(現在のソフトバンク)となりました。なお、イー・アクセスとウィルコムの合併によって登場したワイモバイルをソフトバンクモバイルが吸収合併したことで、現在はSoftBankとY!mobileの2ブランド体制となっています。
さらに2018年。総務省より1.7GHz帯を割り当てたられたことにより、楽天モバイルがMNO新規参入。これにより市場はより活発化することが予想され、日本の携帯電話事業は、ますます発展していくことが予想されます。
取材・文/高沢タケル