「気配り」「心配り」の実践方法
社内で上司や部下、同僚とコミュニケーションがうまく取れずに悩んでいるビジネスパーソンは多いといわれる。そこで社内での気配りと心配りの具体的な実践方法を高橋さんにアドバイスしてもらった。
1.あるべき姿を把握する
「気配りと心配りを行うには、まず気づきが必要になります。組織やチーム、自分のあるべき姿や本来の姿を把握しておくことで、今、目の前に起こっていることとのギャップに気づきやすくなります。『会社のあるべき姿は?』『マイルストーン毎に設定された売上は?』『チームのあるべき姿は?』『本来はどこにあるべき?』『計画通りに進捗した状態とは?』など、組織、チーム、自分に関するあるべき姿について、再確認しておきましょう。
しかし多忙な業務に日々追われていると、ついつい後回しになって現状だけを見て仕事を進めてしまいがちです。改めて確認する時間を取ると良いでしょう」
2.先読み(想像)する力を発揮する
「このあと何が起こりそうか、だから何が必要か、などを想像する力を発揮することも大切です。あるべき姿とのギャップを感じたら、次は、『今後何が起こるのか?』を考えれば、適切な対策を取ることができます。そのためには、日ごろから目の前のこと、自分のことだけでなく、全体的な業務の流れや関わる人の動向などについても、しっかりと観察、把握しておくことが必要です」
3.他者がどんなときに喜んでいるかを観察し、理解を深める
「自分にとっては特に嬉しくないことでも、相手にとっては嬉しいことかもしれません。自分と違う価値観を理解することで、想像の引き出しが広がります。喜ぶ点だけでなく、不快に感じる点も同様に、観察・理解できるとなお良いです」
気配りと心配りは、誰しも忙しいとつい不足してしまいがち。今回紹介されたポイントを日頃から意識して、どんなときも忘れないようにしたいものだ。
【取材協力】
高橋 俊樹(たかはし としき)さん
トレノケート株式会社 ラーニングサービス本部 / 人材教育コンサルタント / 産業カウンセラー / 1991年、自動車メーカー、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当 その後テレマーケティング会社を経て2001年より現職。ヒューマン系講師として新入社員から管理職まで幅広く人材育成支援に当たっている
https://www.trainocate.co.jp/reference/course_guide_business.html
取材・文/石原亜香利