2年前の49cm以来、人生2度目の手巻きが…
ところで鼻タレ、何故放流しないのかと思われる方もいるだろう。アマダイは比較的深め(70~110m)の海底にいるので、海面まで上がると浮き袋が膨らんでしまい、海底に戻ることができない。持ち帰るか鳥の餌にするかだが、僕は持ち帰り派だ。
12時半、今までとは全く違う引きのアタリが来た。アマダイはほとんど電動で巻き上げるが、大型なら慎重に手で巻いた方がバラすリスクは小さい。2年前の自己最高49cm以来、人生2度目の手巻きとなった。船長が横でタモ(網)を構えてくれる。しかし海中に見えてきた姿は、ピンク系ではなく茶系。コチだった。コチはコチで旨い魚だが、がっかり。でも気を取り直して集中する。
13時過ぎ、またもやドスンというアタリ。船長から「慎重にやって!」と声がかかる。専用竿だからだろうか、竿は小気味よくぐいぐい引き込まれ大物の予感たっぷり。だが巻いていくと、どうも手応えが足りない。49cmを釣ったときは、もっとスリリングだったはずだ。50cm級を何匹も釣っている正林さんも、大型の引きには胸が高鳴るという。リールを巻きながら、これで50cm級ならアマダイはそんなに面白い釣りではないな、と不謹慎な(?)思いをする。上がってきたのは40cm級。30cmからグンとサイズアップだが、大型とはとても呼べない。船長も意外そうだった。そしてその直後、お隣氏が48cmを釣る。なんで? 大型アマダイさん、こっちにおいで!
終わってみれば、アマダイ10匹(うち鼻タレ5匹)、コチ1匹、外道いろいろ。前回と打って変わって、とにかくよくアタリのある日だった。釣果もお隣氏さえ気にしなければ、悪くはない。これまでの本命の数(鼻タレ含む)は最高で4匹だから、飛躍的な数字だ。この好釣果には、専用竿、最強の天秤の効果もあろうが、それ以上の要因がある。これぞ、アマダイ釣りの極意ではないだろうか。