懲りることなく自ら再び責任ある立場に
もう一度同じことをやれと言われたら、結構ですというぐらい大変でした(笑)。でもーー
このプロジェクトの時は船橋市の本社に勤務をしていましたが、夫の仕事の関係で神戸の店舗で一年間働いてこちらに戻り、IKEA新三郷に転勤すると、今度はレジや会計のエリアを担当する、チェックアウトサービスのマネージャーの公募に手を挙げたんです。
売り場でレジ等の仕事だけに従事していると、視野が狭くなる気がして。来店したお客様、ビジターが実際に商品を買いカスタマー、顧客になる瞬間に携われるチェックアウトサービスのチームは、やりがいがありますし奥が深い。マネージャーとして今は26名のスタッフを束ねる立場です。
お客様をお迎えし、お見送りする気持ちで立ち振る舞うために、レジのスタッフのモチベーションを高めるにはどうしたらいいか、それが今の私の最大の課題です。
「お客様にはアイコンタクトをきちんととって、笑顔は大事だよね。お客様に好印象を持ってもらうことは、自分のやり甲斐にも繋がるし、すごいことなんだよ」とか、ハッピーなフローの想像力が得意な私としては、そんなキラキラしたことを伝えたいのです。でも、また、きれいごとを言っているよと、スタッフに見られているような気が時々して…。
私も土日はレジに入りますが、とにかく忙しいのです。特に5000円以上お買上げのお客様に、イケアのギフト券をプレゼントするキャンペーンの期間中はさらに忙しくて。その中でお客様へのアイコンタクトや笑顔や、感謝の気持ちを維持するには、人員を増やすことも考えなければなりません。
「今のチームのスタッフだけでは間に合いません」と上司に伝え、人を増やすことの承諾をもらい、退職した人を含めて期限付きで働いてくれる人を探したり。土日祝日が休みになる本社のスタッフにレジのサポートをお願いしたり。中にはレジに慣れない人もいますから、再教育が必要だったり、それはそれで大変ではあります。
まだまだこれからです
クレームをいただいた時は、できるだけタイムリーにスタッフに伝えます。「お客様が受け取った印象がすべてになってしまう。それをまず受け止めてほしい。なぜ、お客様とのギャップが生じたのか。一緒に考えてみよう」とか。私は見ての通り、迫力がありませんので(笑)、“何々しなさい”という伝え方をしても相手の心にズシンと届きません。
「どこが悪かったと思う?」「どうしたら、お客様が笑顔で帰ってくれると思う?」とか、スタッフが自分で考え、言葉を発してくれるような話し方が、私には合っているのかもしれない。
でもね、この会社はライフステージによって、仕事を決めることができます。夫の転勤に合わせ店舗を異動できますし、子育てがしやすいよう、販売や物流の部門に異動することも、シフト制を選ぶこともできます。社内には子育てをしている30代の女性社員もたくさんいます。私の直属の上司の部長も3人子供がいて、夫は海外に単身赴任している。
「マネージャーがワンマンショーをやる必要はない。自分がいなくてもチームがしっかりと機能する、それが素晴らしいマネージャーだよ」と、女性の上司にはアドバイスをもらっています。
まだまだこれからですよ。素晴らしいマネージャーを目指し、末長く勤めていきたいですね。
取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama