6000系6021号車
1967年7月22日にデビューしたアルミ試作車。先頭車1両のみ新製され、鋼製車と組み合わせるカタチで営業運転に就いた。車体はアルミの地肌が目立つが、実はクリアラッカー塗装されている。
当時、アルミは軽量化に優れている点が注目され、営団地下鉄や山陽電気鉄道などが採り入れた。鋼製やステンレスに比べると、軽量化やそれに伴う消費電力低減というメリット、高価格というデメリットがある。相鉄はメリットを重視し、2100系から9000系までアルミ車体を標準としていた(21世紀の新型車両からステンレス車体も加わる)。
6000系は1998年3月14日に引退(注、新6000系は2003年11月2日のサヨナラ運転を最後に引退)。同日に廃車された6021号車は保留車を経て、静態保存された。
車内は引退時のままで、化粧板、シートモケット、カーテンがグリーン系に統一されており、昭和の雰囲気を色濃く残す。戸袋部分の広告が撤去されておらず、時間の経過とともに色あせている。それが懐かしさを誘う。
運転台は乗務員室が狭いせいか、様々なスイッチなどが配置されている。新6000系以降はドアピッチの見直しにより、乗務員室のスペースが拡大されたほか、運転台の位置も高くなった。8000系以降は運転台のスペースを広くとっており、時代の流れを感じさせる。