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上司に報連相をしない社員がいる会社の特徴

2018.12.18

■連載/あるあるビジネス処方箋

 ここ数週間、15社~20社の管理職や役員たちと来年1月からの仕事のあり方について話し合う機会が続いた。仕事を継続するか否か、その報酬はどうするか、などだ。多くは出版社や業界紙、IT企業や広告代理店だが、あらためて驚くことがあった。私と組んで仕事をする担当者の中で、上司である管理職や役員に正しく報告をしていない社員が少なからずいるのだ。特に社員数が300人以下の中小企業に目立つ。たとえば、自分が仕事でミスをしたり、問題を生じさせたことを上司に伝えていない。それどころか、外注先である私や同じ部署のほかの社員のせいにしている。

 今回はなぜ、このような小さな会社の社員は上司に正しく報告をしないのか、を私の取材経験をもとに考えたい。

報告・連絡・相談をしない

 まず、大きな理由は社員教育が徹底されていないことだ。20~30代前半までの社員教育の中心であるべき「報告・連絡・相談」を繰り返し教えることをしていない。集合研修でも、日々のOJTでも十分とはいいがたい。もともと、社員の定着率は概して低いために、互いに報告、連絡、相談をすることでチームとして動く習慣が浸透していない。

 結果として、個々の社員がバラバラの行動をとる傾向がある。そのことで問題視されたり、叱責を受けたりすることは少ない。

 こういう状態が続くと、社員は、自分の仕事のトラブルや問題を隠すこともできうる。そのようなことは大企業でも可能だろうが、小さな会社の場合は頻発している可能性がある。少なくとも、私はそのように担当者たちを見ている。本人は「隠す」つもりなどはないのかもしれない。上司に「報告をする必要がない」と判断していることも考えられる。いずれにしろ、上司にマメに報告・連絡・相談をするくせがついていないのだ。

社員がバラバラに行動する

「報告・連絡・相談」を徹底させないと、個々の社員がバラバラに行動を取り、これがやがては組織の文化になる。こうなると、むしろ、「報告・連絡・相談」をする人が浮いた存在になりやすい。つまり、正直者がバカをみる。このような中から、管理職や役員が生まれる。部下に「報告・連絡・相談」を強く求めることはしない。自分が報告をしてこなかったから、そのことが問題行為とは受け止めていない。

 このようにして、社員が互いにバラバラな判断で仕事をする習慣が全社規模に浸透し、トラブルは多発・頻発する。それらは、社長などに正しく報告されない。まれに伝わたったとしても、現場で起きている問題は相当に加工されたものになっている。個々の社員が、自分にとって不都合なことをカットしたり、歪曲して管理職に報告し、そこでさらに歪曲されたりして役員や社長に伝えられるからだ。しかも、そのタイミングは相当に遅い。

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