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毎月のように入社式を行う会社の特徴

2018.11.14

■連載/あるあるビジネス処方箋

 今回は、入社式が頻繁に行われる会社の特徴について私の考えを紹介したい。本格的な大企業の場合は数十年前から通常、入社式は1年に1回である。4月に新卒入社する人を対象としたものだ。厚生労働省の調査によると、1980年代から入社3年以内に辞める人は増えているが、大企業の入社式は依然として現在も年1回である。ほかの中途採用者は数人~10数人ごとにささやかな入社式が行われることが多い。

 一方で、中小企業やベンチャー企業になると、状況が変わる。毎年、新卒採用をする会社は少なく、中途採用が中心になる。しかも、1年に10数回も入社式を行う場合がある。今回は、このような「毎月、入社式を行う会社」に焦点を合わせたい。

1、会社のレベルは低く、社員のレベルも低い

 正社員の定着率(この場合は、入社5年勤務することを「定着」とする)が同業で、同規模の会社と比べると低い。辞めていく理由は様々だが、「賃金」「労働時間」から「上司の部下育成力から」「同僚との人間関係」にまで及ぶ。会社として多くの問題を抱え込んでいる可能性が高い。

 一方で、このレベルの会社に入社する人は、労働市場においての価値が低い傾向がある。たとえば、新卒で会社に入ったものの、数年間で退職し、その後も短い期間で転職を繰り返し、年相応のスキルを身につけていない人だ。つまり、会社のレベルは低く、社員のレベルも低く、そこに改善しようとする意識も文化も浸透していないのだ。これはお金や時間などのコストの相当な無駄になっているのだが、会社としてなす術がない。中には、そのような問題意識すらもっていない場合もある。

2、特に「10億円の壁」で行き詰まっている会社には注意

 Facebookを見ると、毎月、入社式を行っている会社があることに気がつく。特に建設、運輸、介護、外食、ITなどに目立つ。問題は、ここからである。業績が拡大し、仕事が増えているので社員が足りないのか、それとも業績は以前と変わらないのに退職者が増えているのか。このどちらであるかを過去の業績を調べて検証をしたい。私の観察では建設や運輸には、業績が5年ほど前に比べると下がっているのに毎月、入社式を行っている会社がある。解雇や退職強要など労使紛争を抱えている場合もある。こういう会社には就職はしないほうがいいのかもしれない。働くうえでの問題が多い可能性が高い。

 IT業界で創業15年以内で、売り上げ10億円以下の会社の業績にも注意をしたい。いわゆる、「10億円の壁」で行き詰まっていることが多い。売上2~5億円前まで稼ぐのだが、そこから増やすことができない。一時期、6~8億円までいくが、また2~5億円に戻る。創業メンバーやその下の世代の計5~10人でなんとか稼いで2~5億円を維持するが、ほかの20~50人の社員と情報や意識、目標の共有が徹底していない。スキルや経験を共有し、教え合い、支え合う態勢にもなっていない。

 結果として、創業メンバーとその下の世代の5~10人と、ほかの数十人の社員との間で2極化する。組織として人を育てることができないこともあり、やがて、各自が個人事業主のようにバラバラの行動をとる。そこには、手ごたえややりがい、達成感がない。労働の喜びなどももちろん味わえない。数十人の社員は30歳になっても、22~24歳レベルのスキルしかない。

 こういう会社は態勢を建て直そうとして新卒、中途の採用を繰り返す。だが、定着させる仕組みが十分に機能していないために次々と辞めていく。採用力も低いがゆえに、それなりの人材しか入ってこない。やがて、「毎月、入社式を行う会社」になる。ITベンチャーが10社あるならば、7~8社はこの範疇だと私には見える。

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