■開発に要した時間は予定の4倍
こうして『ブルドック うまソース』は2010年に開発のスタートを切ることになった。万能調味料というアイデアは、社内でも支持を多く集め、スタートとしては順調そのもの。営業や研究開発からスタッフを集めてプロジェクトチームを結成し、開発を推進していった。
とはいえ、開発自体は長期化。ソース類の開発期間は、通常であれば半年ほどだが、『ブルドック うまソース』に限ってはその4倍の2年を費やすことに。これ一本あれば何でもできる、という万能調味料の開発は、一筋縄ではいかなかった。
開発が一筋縄でいかなったのは、かつおエキスや昆布だし、にんにくなどとソースのバランスを取ることが難しかったためである。こだわったのは、ソースを主張し過ぎない一方で、どこかにソースらしさが感じられること。
「ソースのしっぽをどれだけ残すかで侃々諤々の議論となった」と佐藤氏は言う。原材料の配合比率などを細かく見直し、つくった試作品は200ほど。試食を担当したモニターに、「これソースなの?」「調理に使ってくれるのか?」といった疑問や心配が示されることもあった。
■レシピを公開して使い方を提案
味がなかなか決まらず開発に苦戦した『ブルドック うまソース』だったが、最終的に現在の形に収まり、発売に至る。食品卸の評判も良く、高い関心を集めることになった。しかし、調理に使ってもらえるようにするには、良さを効果的に伝えるプロモーションが不可欠だ。
販売促進は、でき得ることに最大限取り組んでいる。まず、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬)限定でテレビCMを流した。2012年9月15日?10月8日の期間限定で流されたが、新CMは8年ぶりのことだった。このほかは、主に店頭での試食販売や雑誌のタイアップ広告、など。試食販売については、他の商品では行なわず、『ブルドック うまソース』一本に絞って行なっている。
テレビCMのワンシーン。